「本日はありがとうございます。本日、家族葬を執り行いました。皆さま、ありがとうございました」
そう挨拶したのは、11月28日に敗血症のため亡くなった渡辺徹さん(享年61)の長男で、タレントの渡辺裕太(33)。12月5日に開かれた会見で、徹さんの妻の榊原郁恵(63)と裕太が取材陣に対応した。
徹さんは郁恵との間に2人の息子がおり、長男の裕太が’13年にタレントとして本格デビュー。デビュー以来、裕太は「親と一緒は嫌だ」と共演を断っていたというが、昨年9月に徹さんと郁恵が夫婦で出演した朗読劇に裕太がゲスト出演。親子3人の舞台初共演が実現していた。
生前、徹さんが、家族について話すのを聞いたことがあるという舞台関係者は言う。
「今年の春ごろ、徹さんとお会いしたとき、お互いの仕事や家族の話題になりました。『親子3人での共演がまたできたら』なんてお話されていましたね」
裕太についてはこんなふうに話していたという。
「『息子の裕太がもういい年だけれど、いまだに恋人を紹介してくれたことがないから、されてみたい』と、照れながらお話されていました」(前出・舞台関係者)
家族仲がよかったという渡辺家だが、徹さんが息子の仕事に干渉することはなかったという。
「裕太くんがすることに徹さんが“ああしろこうしろ”と口を出すようなことはなかったようです。裕太くんは裕太くんで、『両親あっての俺だから』『親と同じようにはできないから』という感じで、自分のことを冷静に見ているんです。だからかえって、『のびのび生きてきた』なんて言っていましたね」(テレビ局関係者)
干渉はしない一方で、徹さんは裕太を気遣う様子も見せていたともいう。
「裕太くんがYouTubeの撮影をしているとき、その仕事仲間に徹さんがご飯をごちそうしたことがあったそうです。自由にやればいいとは言いつつ、徹さんには“必要な時は力になる”“協力しあげたい”という思いはやはりあったんじゃないでしょうか」(前出・テレビ局関係者)
5日の会見で、「父親は僕のことを何でも肯定してくれる人だった」と話した裕太。母と2人、涙を見せることなく、終始笑顔で会見を全うした姿は、明るかった徹さんの在り方を、受け継いでいるようだった。