ダウンタウンの松本人志(59)が『ワイドナショー』(フジテレビ系)を降板すると2月23日に「FRIDAYデジタル」が報じた。
“3月いっぱい”と言われているが、フジテレビ・大多亮専務は2月24日の定例会見で「ここでお答えするものがございません。ご容赦ください」と語るにとどめた。また、2月26日の『ワイドナショー』放送でこの話題に触れられることもなかった。
昨年4月から隔週出演になっている松本。当時は他の番組とのスケジュールの兼ね合いと話していたが、降板については、たびたび不快感をあらわにしていた自身の発言の“キリトリ記事”が無くならないためだと一部で言われている。
「松本さんが隔週出演になってから明らかに番組の勢いが落ちていますよね。視聴率も裏番組の『サンデー・ジャポン』(TBS系)に水をあけられています。浜田(雅功)さんの不倫報道や中居(正広)さんの体調不良などがスルーされていますが、かつてなら内容や尺はともかく、出演者が良く知っている芸能人の話題が報じられると、必ずMCの東野(幸治)さんがコメントを求めましたからね」(テレビ局関係者)
松本人志と『ワイドナショー』は何が変わってしまったのか。お笑い評論家のラリー遠田氏に聞いた。(以下、カッコ内はすべてラリー氏の発言)
「もともと『ワイドナショー』が画期的だと言われた理由は、いつも番組の冒頭で流れる“普段スクープされる側の芸能人が、個人の見解を話しに集まるワイドショー番組”というコンセプトに端的に表されていますよね。
何か事件があったら本人や当事者が出てきて自由にしゃべればいい。そんなスタイルが、以前もあったタレントのワイドショーコメンテーターとは一線を画していました。
放送開始当初はSNSやYouTubeが今ほど盛んではありませんでした。タレント側からしたら、週刊誌などの報道に対して“言われっぱなし”という感覚があったのではないでしょうか」
ラリー氏は記憶に残る放送回として吉本の“一大事”を扱った回をあげる。
「やっぱり闇営業騒動の時ですね。宮迫(博之)さんと(田村)亮さんが会見をした直後で、急きょ生放送になりました。吉本興業の岡本社長も出演し、のちの“グダグダ会見”に繋がりました。まさに先ほどの番組コンセプトが強く打ち出された回と言えるでしょう」
松本や番組は変わってしまったのだろうか。
「降板の理由ともいわれる“キリトリ記事”については皮肉な話だと感じます。番組の売りがじっくり時間をかけて話すところにあるので、コメントは面白くなるけれど、どうしても記事ではおいしい部分だけが使われてしまう。
また、9割まじめな話をして1割ボケたとしても、ボケた部分だけが使われて『松本不謹慎だ』などと言われたこともあったでしょう。
松本さんはプロ中のプロなので、発言にはすごく気を使っています。自分の意見を言いながら、なんとかすり抜けてボケる、といったことをやってきました。それでも最近は、誤解を招かないように発言するようになっていると感じます。松本さん自身が慎重になっているからなのか、世間の空気が変わってそうせざるを得ないのかはわからないですけどね」
最後に、松本の今後についても聞いた。
「もうすぐ引退といった話をよくされていますが、なかなかできないのではないでしょうか。松本さんはお笑い界全体のことをよく考えていますから、絶対的なリーダーとしての義務感もあると思います。それでも、自分を貫く人でもあるので、ご本人が決められたら事務所も誰も止められないでしょうね」