「小学校のころはおとなしくて目立たないタイプだったので、俳優になったと聞いて驚きました。当時の印象からは想像できません」
こう語るのは俳優・赤楚衛二(29)の同級生の母親だ。少年期を知る人々にとって、赤楚が選んだ進路は意外だったらしい。
「彼がこの愛知県に住んでいたころ、あたりは田んぼや畑のほうが多くてね。赤楚一家も家族でカブトムシを捕ったりして遊んでいましたよ。そんな町から朝ドラで活躍する人が出るなんて。近所でも話題になっていますよ」
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で、ヒロイン・舞の幼馴染みである貴司を熱演する赤楚。2月20日の放送では舞と結婚、亡き義父に「舞さん、大切にします」と語りかけた。
「これまでもヒット作との出合いによって人気を上げてきた赤楚さんですが、今回の朝ドラは特別ですね。歌人役がハマって、一気にお茶の間に名前が浸透したのではないでしょうか」(テレビ局関係者)
ドラマの中で貴司が詠む短歌を楽しみにしている視聴者は多いが、赤楚本人は、実は外国語が得意なのだという。
「’21年放送のドラマ『SUPER RICH』(フジテレビ系)で、英語、中国語、韓国語と3カ国語が“ペラペラ”のビジネスマンを演じ、大きな話題となりました。ふだんもイベントやSNSで自然に外国語を使っています」(前出・テレビ局関係者)
赤楚はどうしてそれほどの語学力を身に付けることができたのか。理由は父の教育にあるそうだ。赤楚をよく知る芸能関係者が語る。
「赤楚くんのお父さんは、名古屋学院大学で学長を務める赤楚治之氏です。言語学の教授で、英会話の専門家です。赤楚くんが2〜3歳のころはアメリカに留学していたのですが、お父さんが彼を言語学学会に連れていったこともあるくらいなんですよ」
学校の勉強には厳しく、帰国後は、赤楚が中高生のときまでみっちり教えていたという。
「通知表やテストの点数が悪いとよく怒られたそうです。小学5年で方程式を教えられて、『できない』と言ったら怒鳴られたこともあるのだとか」(前出・芸能関係者)
“スパルタ”のかいあってか、赤楚は父が教鞭をとる名古屋学院大学に進学。しかし、高校生のころからの夢だったという芸能界を諦めることはできなかった。
《僕が「東京の事務所に入ります」と宣言したとき、父が言った言葉は「やりたいことを見つけたならいい」。最近知ったのですが、本当は、英語の先生や言語学の分野に進んでほしいと思っていたようです》(『朝日新聞』’17年12月1日付のインタビューより)
治之氏は学生に向けたメッセージでもこう語っている。
《若者の特権は「夢」を語ることです》《自分の可能性に自らリミッター(制限装置)を設けるのは止めましょう》
リミッターから解き放たれた息子は、どこまでも高く舞いあがる。