■ひきこもり生活から生まれたキャンドルアート
もっともキャンドル氏がキャンドルアーティストとして目覚めるまでには時間が必要だったようだ。上京後、彼はしばらくの間、“魂の放浪”ともいうべき期間を過ごしている。
10代の終わりごろはフリーター生活を送り、仕事がない日は、ずっと部屋にひきこもっていたという。キャンドル氏自身のインタビューにより構成された記事にはこのように記載されている。
《「人と同じではいけないと思って、睡眠、食事も取らないで生きる意味を考えました」
部屋に置いたキャンドルの炎が、しっくりきた。が、新品を買うお金の余裕はない。使い終わると古いものを溶かして、新しいものに足して使うと、様々な色が混じり合った作品が生まれた。それが、原点だ》(『AERA』’11年2月7日号)
“人と同じではいけない”、そんな思いと、彼のトレードマークになっている鹿の角ピアスとは無関係ではないのだろう。
キャンドル販売、有名ブランドのレセプションの演出、被災地の復興支援……、彼の活動は多岐にわたる。ピュアな求道者と称されるいっぽうで、彼には現実的な実業家としての一面もあるという。
「『湘南乃風』の若旦那など、音楽イベントなどで知り合ったアーティストをはじめ、多くの有名人とも交流しています。広末さんとの結婚前には、有名女性タレントと交際していました。有名人の出入りするようなカフェに、キャンドルを無料で配って置いてもらったりと、営業力も高いのです」(芸能関係者)
昨年1年で彼が参加したイベントは10を超える。謝礼がきちんと発生しているものから、手弁当に近いものまでさまざまだったが、キャンドルアートという分野では日本有数の成功者であることは間違いないようだ。
「広末さんとの結婚当時、キャンドル氏の年収は3千万円と報じられています。当時よりも参加しているイベントが増え、キャンドル販売の売り上げも増加していますので(’21年度は1億5千万円)、その年収以上を維持しているのは間違いないでしょう」(広告代理店関係者)
21日のイベントでキャンドル氏はこう語っていた。
「もう離婚とか、謝罪とか、どうでもいいんです。子供たちのことだけを何とかしたい。自分の奥さんに一刻も早く平穏な気持ちを取り戻してもらいたい。それだけなんです」
はたして彼の呼びかけは、妻・広末や3人の子供たちの未来に希望の灯をともすことができるのか。