■コムドットが登録者数400万人を下回った背景
果たして、トラブルだけが登録者数減少の原因なのだろうか?
「なかなか見えづらいとは思いますが、まずひとつの原因として、チャンネル登録していた400万人のなかでも“推し”が変わってしまった人がいるのではないでしょうか。例えばTikTokで新しい“推し”を見つけたなど、コムドットが一番ではなくなった人たちが登録を外したのではないかと思います」
こう語るのは、ITジャーナリストのおんp/氏。イベントのトラブル以前に、動画を視聴するプラットフォームが分散している影響が考えられるという。次にイベントをめぐるトラブルについて、井上氏はYouTubeの“変化”を指摘する。
「テレビのワイドショーでは、暴力や金銭、異性間のトラブルなどの話題に視聴者から批判的な声が集まります。それと同じように、YouTuberの非常識な言動にもYouTubeを視聴するユーザーから厳しい視線が注がれやすくなっているのです。例えばカップルYouTuberでも破局すると急に人気が落ちたり、新しい相手と活動再開させても再生回数が伸びなかったり。やはり男女間のトラブルは、嫌われる傾向にあると思います」(井上氏)
そのため、コムドットのトラブルもある種の“異性間トラブル”に映った可能性があるという。
「真相がよくわからないからこそ、“女性2人が雑に扱われてしまった”という見られ方をしてしまったのではないでしょうか。彼らの女性に対する高圧的な扱い方を見て、不快感から登録を外されてしまった可能性もあります。今の時代、一歩間違えればDVと捉えられかねない言動は致命傷になる傾向にあります」(井上氏)
ではいったん下がってしまった登録者数を、回復させるのは難しいだろうか? 井上氏は「なかなか難しくなってきていると思います」と言及した上で、こう推察する。
「実際にフォロワー数が頭打ちになっていたり、それなりにフォロワー数を抱えているのに動画の再生数が伸びていなかったりするYouTuberは目立つ傾向にあります。YouTubeは動画配信の圧倒的なプラットフォームでしたが、多様なサービスの出現によって状況が変化してしまったことが大きいと思います」(井上氏)