■《司法を遵守して早期収束を願っています》
福原の猛反論に対して、江氏側も、声明を発表した。
《日本の裁判所が既に公正な審判を下しました。福原愛さんが日本の司法を尊重遵守し、本件を早期に収束させることを願っています》
双方の主張が激しく対立するなか、江氏の思いとはーー。
「引き離されてしまった長男を取り戻したい一心だそうです。
できれば表沙汰にはしたくなかったそうですが、ほかに方法がなく会見を開くことにしたのだとか」(江氏の知人)
今回の江氏の会見に関して、台湾ではどう捉えられているのだろうか。台湾文化に詳しい、台湾ガイド・通訳手配センター社長の山崎肇さんは言う。
「台湾の世論は、圧倒的に江さんに同情的です。台湾には男の子を特にかわいがる文化があります。そのため江さん側にとっては、いっそう引き渡してほしいという思いが強いのではないでしょうか」
1年間会えていない長男のことを思う江氏。いっぽうで福原の胸中とはーー。
「江さん側の声明に対して、たびたび反論していることからもわかるように、徹底抗戦も辞さない構えだといいます。これまで日本で培ってきた人脈を生かして、芸能界の重鎮に江さんの会見を止めるように相談したそうですが、不発に終わったとか。
また福原さんの代理人弁護士は、国境を越えた子供の連れ去り事例について大変詳しい方だと聞いています」(福原の知人)
会見で大渕弁護士は、状況が改善しない場合は、未成年者誘拐罪での告訴の可能性も示唆していた。
任意の引き渡しが行われない場合、どうなっていくのだろうか。前出の本村弁護士は言う。
「強制執行するにも、母子の居場所がわからない場合は、突き止めることに時間がかかります。居場所は裁判所が探してくれるわけではありませんので、警察に動いてもらうのであれば、刑事告訴が必要となってきます。
一般的に面会交流中の連れ去りは裁判所への印象が悪いです。過去には、面会中に子供を連れ去って返さず、1カ月間子供を自宅に泊めたことで、誘拐罪の判決が出たという事例もあります。
また仮に福原さんが海外に出国してしまった後に、日本で誘拐罪の刑事告訴がなされれば、’23年4月に国際指名手配されたガーシーこと東谷義和氏のように、帰国したところを逮捕されることにもなりかねません」
本誌の取材に大渕弁護士は、「保全命令も認められていますから、いつでもこちらは動けるのですけど、平和に引き渡していただきたい」と切に訴えかけていたが、子供を連れて出国した場合の対処について聞くと、こう明言した。
「そうしたら刑事告訴するしかないですよね。本当に福原さんが何をしたいのかわからないです」
江氏との接触を断って1年、国際指名手配の危機にまで瀕している福原。子供たちのためにも、家族の修羅場が回避されることを願うばかりだ。