「映像を通じて知っている、メジャーリーガーが来校するということでとてもワクワクしていました。実際に会ってみて、一挙手一投足に一流のオーラを感じ、特に打撃については、芸術作品を見ているような錯覚に陥ったようです。あんなに滞空時間の長い打球は見たことがないないでしょうしね。
また、質疑応答では言葉の重みに、イチローさんの人間力を感じておりました。イチローさんは、大変気さくな人柄で、肩甲骨や鎖骨に触れさせてくれたり、ご自身のグラブやバットを使用させてくれるなど、生徒にとっては貴重な経験となりました」
こう語るのは、北海道旭川東高等学校の今野博友教頭。イチロー氏(50)が11月4、5日にわたり、同校の野球部に指導した際の生徒たちの反応を明かしてくれた。
同校は過去に11回、夏の北北海道大会で決勝まで進出するも甲子園には出場できておらず、「ちょっとでもきっかけになれたら」というイチロー氏の思いから今回の訪問指導が実現。
指導初日にフリーバッティングを披露した際には、打った打球が高さ8メートルの防球ネットを超えて、校舎3階にある数学室の窓ガラスを破壊した。
この様子がSNS上で拡散すると、《やっぱ違うな》《50歳って信じらんないわ》などの声が。また《「割れた窓」は記念に残すべきだなw》《この窓は記念のため永年保存…直せないね》などの声も聞かれた。
旭川東高校の“名所”となりうる割れた窓ガラスの今後について、前出の今野教頭はこう話す。
「現在保存の方向で話を進めております。割れたままということではなく、生徒にとって安全で、寒さ対策を講じる形で検討しております。
イチローさんサイドからは、謝罪と弁済の申し出がありました。しかし、設備上ネットが低く、ガラスは年に数回割れることがあり、本校や他校の生徒が割った場合も学校で修繕しておりますので、今回も同様の対応をさせていただく予定です」