■「我々(帝国劇場)が100%悪い」劇場にとっても異例だった今回の開演中止
どういった経緯で、このような対応をすることになったのか。帝国劇場に問い合わせ、当該ミュージカルの宣伝担当者に話を聞いた。
キャンセル代金または交通費・宿泊費も負担した経緯については「今回はかなり異例のことなので、通常の判断ではなくてこういう対応をさせていただいている」と説明。
このような対応となった背景には、やはり「我々(帝国劇場)が100%悪い」という事情にあるようだ。
「コロナや事故といったことではなく、純粋に我々の制作の準備の問題で初日が開かないなんてことはあってはならないことで、今まではこんなことはなかったんです。
もう本当に申し訳ないとしか言いようがないんですけれど、稽古がやはり遅れていてですね、なかなか劇場に入ってからも遅れを挽回できないというのが、本当に正直なところで」
この中止理由に、SNS上では関連ワードがトレンド入りするなど大きな波紋を呼んでいた。これについては「SNSとかでも色々なご意見をいただいて、その通りだなと思います」とコメント。
また、公演中止の発表を行った数日後に今回の補償方針を発表した経緯があることから、ファンの間では批判が殺到したことで対応を変えたのではという憶測も囁かれていた。
しかし、この件については「結果的にそう見えてしまったかもしれないですけど、これはもう、ただ我々が悪いのでそうしないとな、というところで」と語り、当初から全額返金対応する予定だったという。
4日に第一報を発表したときのことについて「(あの時は)もう一刻でも早く、こういう状況になってしまったからには、お客様にお伝えしないとと思いまして。2日前でしたから、遠方から来られるお客さんは当然いらっしゃいますし」と当時の状況を明かした。
過去にも同様のケースはなかったようで、今回は劇場にとっても異例の事態だったようだ。10日にようやく“初日”を迎える今回の舞台。成功を祈るばかりだ。