回を重ねるごとに反響を呼んでいる『不適切にもほどがある!』(TBS系)、通称“ふてほど”。昭和から令和にタイムスリップした阿部サダヲ演じる“昭和のおやじ”小川市郎が、現在の常識に困惑しつつも、コンプライアンスでがんじがらめになっている現代人に、考えるきっかけやヒントを与える人物として活躍中だ。出演者が突然歌いだすミュージカルシーンには重要なメッセージが込められていたりと、片時も目が離せない。
そしてそれ以外にも、現金をティッシュで包むといった1986年当時のあるあるも、当時を知る世代にとっては見どころになっている。そこで、今回は本誌秘蔵写真とともに昭和の芸能界を振り返る。あらためて『ふてほど』が描く昭和のキーワードで懐かしくなって!
■昭和キーワード1【マッチ】
女子も男子も憧れた完全無欠のスーパーアイドル。「たのきんトリオ」として人気を博し、’80年『スニーカーぶる〜す』でソロ歌手デビューしたマッチこと近藤真彦。トシちゃん(田原俊彦)とともに飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍した。ムッチ先輩にマッチも気づいたようでラジオで反応していた。
■昭和キーワード2【お色気深夜番組】
1980~94年放送の『トゥナイト』は人気深夜番組で最新トレンドから性風俗までカバー。’82年に山本晋也監督が言った「ほとんどビョーキ」は現在でも知られる流行語。
ドラマで小川がよく言う「チョメチョメ」は当時人気司会者だった山城新伍さんが言い始めた。山城新伍の番組ではおっぱい丸出しは当たり前。女優の花園ひろみと結婚離婚を繰り返していた。
■昭和キーワード3【テレビドラマ】
テレビドラマから、数々の流行や社会現象が生まれた。1983年『積木くずし』は俳優・穂積隆信さんが娘の非行〜更生を描いたベストセラー作品。『積木くずし-親と子の200日戦争-』として放送。
1986年『男女7人夏物語』は元祖トレンディドラマとして名高く、最高視聴率は31.7%を記録。この共演で明石家さんまと大竹しのぶはのちに結婚。
■昭和キーワード4【アイドル新時代】
花の82年組が大人気!『私の16才』でデビューした小泉今日子の愛称はキョンキョン。アイドル豊作の年といわれる花の82年デビュー組。ほかに中森明菜など。
『夜のヒットスタジオ』は“夜ヒット”が略称の人気音楽番組で’68~’90年の放送。看板司会者・芳村真理の「どぉもぉ~」と豪華オープニングメドレーが名物。
■昭和キーワード5【おニャン子クラブ】
『夕やけニャンニャン』から誕生した女子高生メインのグループで、会員番号を言う自己紹介が特徴。現代からすると刺激的な歌詞は秋元康が担当していた。ドラマ内でも小川が「さすが秋元、どうかしてるぜ!」と辛辣コメント。
■昭和キーワード6【女子大生ブーム】
ラジオやテレビで普通の学生がキャピキャピ活躍!1983~91年放送の『オールナイトフジ』は現役の女子大生が出演していた生放送深夜番組。女子大生ブームの火付け役となった。デビューしたてのとんねるずや片岡鶴太郎が出演。
ドラマ第5話で「川島なお美と同じとこ入りたいの」といったセリフがあったが、川島さんは青学在学中に女子大生DJとしてブレイクした。本誌では1982年、青学の門の前でポーズを決める川島さんを撮影。