3月1日に、急性硬膜下血腫のため亡くなった漫画家の鳥山明さん(享年68)。
世界中から愛される巨匠の訃報が一斉にメディアで報じられたのは、8日正午すぎだった。SNSでは悲しみの声が溢れているが、鳥山さんの訃報が1週間もの間流出しなかったことに驚いた人も少なくないようだ。
鳥山さんが所属する「バード・スタジオ」は、同日付で鳥山さんの逝去を公表。発表した文書のなかで《まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません》と偲びつつ、すでに葬儀を近親者のみで済ませたことも報告した。
また同じタイミングで、東映アニメーションと集英社「少年ジャンプ」の公式サイトでも追悼コメントが発表された。驚くべきは「少年ジャンプ」公式サイトでは、鳥山さんと親交のあったクリエイターや著名漫画家たちの追悼コメントも発表されたのだった。
その人物とは、鳥山さんがキャラクターデザインを手掛けたゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのゲームデザイナー・堀井雄二氏(70)、『電影少女』『I“s』などの作品で知られる桂正和氏(61)。続いて『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎氏(49)、『NARUTO -ナルト-』の作者・岸本斉史氏(49)の計4名。鳥山さんが急逝したことへの喪失感や敬意、偲ぶ気持ちをそれぞれ長文で綴っていた。
訃報の発表に際して関係者たちが事前に入念な調整を進めていたことが伺えるが、鳥山さんは最近も精力的な活動ぶりが注目を集めていたばかりだ。
3月4日に都内で、鳥山さんの作品「SAND LAND」を多角的に展開するプロジェクト「SAND LAND Project発表会」が開催。昨年8月に劇場アニメとして上映された同作だが、発表会では鳥山さんが“その先の展開”を考案したことが明かされた。
さらに鳥山さん本人によるコメントも紹介され、《僕は新キャラである天使のムニエルの設定とデザイン、アンなどのデザイン、エピソードなどを提案させていただき、続編が完成しました》と制作に携わったことが綴られていた。
まさかこの時すでに鳥山さんが亡くなっていたとは、誰しも想像できなかったであろう――。訃報が一切漏れることなく“秘密保持”が徹底されたことに、SNSでは脱帽する声が広がっている。
《鳥山明先生の訃報、1週間前って聞いて驚いたわ。情報が漏れなかったのがすごい》
《鳥山先生。。。1週間前に亡くなられてたのか…編集部・著名人のコメント全て取った上で週刊少年ジャンプ公式サイトで発表という… 凄い秘密保持力》
《葬儀など済ませた上に親しい人のコメントまでとって1週間伏せていられた つまり誰も口を割らなかった どれだけ鳥山明がリスペクトされていたかが分かるね…》
《鳥山先生、1週間も前に亡くなられてたのか。全く情報が漏れなかったのは集英社の情報管理力のすごさもだけど、ご本人の人徳もあるんだろうなぁ》