草彅剛 新作映画で主演を継承…恩師・高倉健さんとの交流生んだ「謹慎中に届いた手紙」
画像を見る 75年、『新幹線大爆破』撮影時の若かりし高倉健さん(写真:共同通信)

 

■健さんのアドバイスは“あなたらしくやれ”

 

一見厳しい指摘にも聞こえるが、実際は愛ある激励だったようだ。

 

「そもそも、彼の出演作をよく見ているからこそ言えるアドバイスです。草彅さんのドラマの一場面について細かく語ったり、手紙で“顔がよく変わってきた”と褒めたりしたこともあります。

 

それに、健さんはダメ出しのなかで“あなた自身がいいんだから!”と声をかけていました。映画の撮影時も“あなたの好きにやればいいんだ”と言ってくれたそうです。

 

ありのままの草彅さんを評価しているからこそ、誰かを目指すより、個性を磨いてほしいと思っていたのではないでしょうか」(前出・制作関係者)

 

草彅の成長を見守っていた健さんだが、’14年に亡くなってしまった。

 

「健さんの死後も、草彅さんはあらゆる場面で名前を出し、敬意を表していました。初めての手紙から約15年、健さんとの思い出を忘れることはなかったようです」(前出・映画関係者)

 

’21年、ブルーリボン賞で主演男優賞を獲得した際、草彅は「高倉健さん、大杉漣さんのようにお世話になった先輩方に『立派な賞をいただきました』と報告したい」と各メディアのインタビューで話していた。

 

そして彼の心の中では、健さんの言葉が今も生きている。’13年、主演映画『中学生円山』の舞台挨拶で、草彅はこう語った。

 

《お芝居はうまくやろうとしなくていいんです。“おまえの中にある芝居の神様が勝手にやってくれる”と高倉健さんもおっしゃってました》(「スポニチアネックス」’13年6月3日配信)

 

「これは後輩俳優の『ラブシーンは緊張しますか?』という質問への答えです。健さんの教えを、今度は若手に引き継いでいくのだと思います」(前出・映画関係者)

 

“芝居の神様”は新幹線に再び舞い降りるはずだーー。

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