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「明菜ちゃんが楽しそうに歌う姿を久しぶりに見られました。カラー映像なので、顔色もよくわかって……。ずっと体調を心配していましたが、生き生きとしていたので安心しました」(ファンの女性

 

中森明菜(58)が約10年ぶりに色づいたーー。

 

4月3日、YouTubeを更新した明菜。往年の名曲『TATTOO』のジャズバージョンを披露した。

 

「昨年12月24日にもYouTubeに『北ウイング』の歌唱動画が投稿されましたが、このときはモノクロ映像でした。

 

明菜さんがテレビに出演したのは’14年の『NHK紅白歌合戦』が最後。つまり今回の『TATTOO』の動画は、’14年の『紅白』以来、実に10年ぶりのカラー映像なのです」(音楽関係者)

 

明菜は5月1日にデビュー42周年を迎える。

 

「明菜さんはデビュー40周年の’22年に個人事務所を設立し、再始動を表明しました。

 

ところが、表立った活動はほとんどできずに2年が経過。芸能活動から離れているうちにかつての関係者とのつながりが薄くなり、再始動のために頼れるスタッフがいなかったのです」(芸能関係者)

 

しかし明菜自身は復帰への意欲を絶やしてはいなかった。

 

「昨年から明菜さん自ら音楽関係者と連絡を取り、本格復帰に向けて協力を求めてきました。

 

そうした思いが実ったようで、1月には最新肉声インタビューがBS-TBSで放送され、4月1日には36年前の未発表曲が配信されました。再始動がようやく本格的になってきました」(前出・芸能関係者)

 

5月1日に向けて、毎週水曜日に自身の楽曲をカバーした動画をYouTubeに投稿するといい、その第1弾が『TATTOO』だったのだ。

 

「『TATTOO』を歌う明菜さんは終始ノリノリでカメラに向かって笑顔でピースする場面もありましたが、実は明菜さんがジャズの楽曲を披露するのは今回が初めてです。

 

前回の『北ウイング』を切ない表情で歌い上げたのとは対照的な明るい雰囲気でした」(前出・音楽関係者)

 

58歳にして初のジャズに挑んだ明菜。その背景には、あるライバルの存在があったと前出の音楽関係者は言う。

 

松田聖子さん(62)は明菜さんより先にジャズの分野にチャレンジしていて、今年2月には3作目のジャズアルバムを発表しました。

 

’17年に発売した1作目は、アメリカの大手配信会社のチャートで2位を獲得するほどヒットしています」

 

試練のときにも聖子のそばにはジャズがあった。

 

「’21年に愛娘の沙也加さん(享年35)が亡くなりました。以前からジャズに取り組んでいましたが、沙也加さんの亡き後はアップテンポな曲ではなくじっくりと聴かせるジャズにさらにのめり込んでいったようです」(前出・芸能関係者)

 

“不仲”と報じられることも少なくなかった明菜と聖子だが、実際のところは少し違うようだ。

 

「明菜さんは聖子さんのレコードをほとんど持っており、カラオケで聖子さんの曲を歌うほどリスペクトしています。聖子さんも、明菜さんとは“認め合う仲”だと話しており、高め合うよきライバルといった関係なのでしょう」(前出・音楽関係者)

 

明菜は免疫力低下による体調不良で’10年に活動休止するなど、長らく思うようにいかない時期を過ごした。

 

「’17年末にもディナーショーを開催しましたが、その後は再び活動休止状態になるなど、歌える環境がなかなか整わなかったといいます。それだけに、悲しみを抱えながらも歌い続ける聖子さんには勇気づけられたのではないでしょうか。

 

明菜さんがジャズに興味を持ったのには、聖子さんの背中を追うような気持ちもあったのかもしれません」(前出・音楽関係者)

 

聖子が一歩前に進めば、明菜もそれに追いつこうとする。まるで呼応するかのように、歌姫2人がそろってジャズにーー。

 

音楽評論家の富澤一誠さんはこう話す。

 

「最近は’70~’80年代のポップスが再注目されています。しかし、昔の歌謡曲をそのまま歌っても飽きられてしまいます。そこで明菜さんは、『TATTOO』をジャズバージョンにすることで、新しさが感じられるようにしたのでしょう。ジャズは“大人の音楽”なので、“大人になった明菜”という印象も受けますね」

 

また、ジャズは年を重ねても“ありのまま”で表現できるという。

 

「たとえばロック調の『DESIRE -情熱-』は声を張り上げなければならないので、今歌うと息切れしてしまうかもしれません。いっぽうでバラードも、低音をしっかりと響かせなければならないため、これもなかなか難しいです。

 

中音域でアップテンポすぎないジャズなら、無理せず自然に歌うことができるはず。今の明菜さんにとっていちばん歌いやすいジャンルだと思います」(富澤さん)

 

聖子と明菜がそろってジャズに挑戦しているといっても、そこには違いがあるようだ。

 

「聖子さんが“きれいなジャズ”だとすると、明菜さんは少し“アク”が強いジャズ。双方とも並び立っている感じで、非常にいいと思います」(富澤さん)

 

3月に中央大学法学部通信教育課程を卒業し、年を重ねてもなお歩み続ける聖子。明菜にもさらなる不屈の精神が芽吹いたはずだ。

 

歌姫が長い冬眠から目を覚ましたようだ。10年ぶりのカラー映像で明菜が歌い上げたのは、初のジャズ楽曲。もう一人の歌姫・聖子を追いかけ、明菜の42周年が幕を開けようとしている。

 

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