フリーアナウンサーの田中みな実(37)が過去に推奨していた“ニキビケア”の方法がSNSで拡散され、“マネしてはいけない”と波紋を呼んでいる。
Xで拡散されたのは、’19年に田中が実施したライブ配信の一部が切り抜かれたもの。
動画では、「ニキビできたらどうやって治しますか?」とのファンからの質問に対し、田中が日頃から実施しているというケア方法を紹介。田中はニキビにリンデロンを綿棒で塗り、その上から「薬の浸透が良くなるような気がして」とサージカルテープを貼っていると説明した。
田中がいう“リンデロン”とはステロイドと抗生物質が配合された塗り薬のこと。この田中の自己流ニキビケアが、“田中みな実様のニキビケア方法”としてX上で改めて拡散すると、《田中みな実ニキビにリンデロンはあかんやろ…》《まじで、ニキビにステロイドとか何意味わからんことしてんの》と波紋を呼ぶ事態に。ブログで警鐘を鳴らす医師も現れた。
そこで、美容皮膚科・皮膚科「いりなか駅前皮フ科ビューティークリニック」の祖父江千紗院長に、田中の推奨するニキビケアへの見解を聞いた。
「田中みな実さんが動画で使っているお薬は“リンデロンVG軟膏”で、ベタメタゾンというステロイドとゲンタマイシンという抗生剤を配合した薬です。ニキビに対してステロイドは適応がなく、リンデロンVG軟膏に含まれる抗生物質は、アクネ菌に効果はありません。一時的に炎症を抑える可能性はありますが、長期的に使うと皮膚の免疫力が下がりニキビのできやすい肌になることもあります。なので、あまりお勧めできません。
加えて、ニキビに対してサージカルテープを貼ることは通気性が悪くなり、嫌気性菌であるアクネ菌が繁殖してニキビが悪化する可能性がありますので、こちらもあまりお勧めできません」
皮膚科で処方された塗り薬を自己流で使用すると、症状に対して薬が適切でないだけでなく、更なるリスクを生じさせることもあるという。
「皮膚科でもらった塗り薬を自己判断で違う目的で使用することはあまりお勧めしません。効果が出ない、症状が悪化する、副作用が出るなどの可能性があるため避けてください。たとえば、ウイルス性の疾患にステロイドを塗って悪化するなどの可能性もあり得ます」
それでは、正しいニキビケアはどのような方法があるのだろう。
「ニキビは皮膚科で治療する時代になりました。日本でも近年は良い塗り薬が保険適応になり、ニキビ治療はかなり良くなっています。皮膚科医とともに治療を進めることをおすすめします。
また市販のニキビ用の化粧品を使ってトラブルが出ることもあります。“ニキビ用”と書いてあるものは刺激が強いものもあり、お肌に合わない場合もあるので気を付けてください」
ネットで拡散されている美容情報は、鵜呑みにしないことが肝心だ。