シリーズの新作映画2作品の公開に先立って、フジテレビ系にて過去作品の再放送が行われている『踊る大捜査線』シリーズ。
9月30日に放送されるのは映画『容疑者 室井慎次』(’05年公開)。シリーズ第4弾でスピンオフ作品となる同作は、自らが指揮をとった殺人事件の捜査の責任をとらされ、容疑者として逮捕されてしまった柳葉敏郎(63)扮する室井管理官と、室井を弁護する若き弁護士・小原久美子(田中麗奈)の活躍を描いた物語だ。
舞台が湾岸署ではないため、主演の織田裕二(56)扮する青島をはじめとするレギュラーメンバーは登場せず、主要キャストはシリーズ初登場のメンバーばかり。警察の不正を暴くという大義名分をかざして徹底的に室井を追い詰める弁護士・灰島役の八嶋智人(54)のほかに、哀川翔(63)、柄本明(75)、佐野史郎(69)、吹越満(59)ら個性派役者陣が脇を固める。
ドラマ版には、当時は駆け出しの水川あさみ(41)、小池栄子(43)などが出演していた『踊る』シリーズ。再放送では、今では大物となった俳優たちの若かりし姿にも注目が集まっている。
実は本作にも、当時は無名だった俳優がまさかの形で出演している。映画の冒頭に挿入されるきっかけとなった事件を回想するシーンでは、強く雨が降る新宿3丁目の路上で、背中をナイフで刺され倒れる男性の死体が映される。このシーンで顔はほとんど映らないものの、その後映る捜査資料の顔写真を見ると、この男性を演じているのは今やイケメン俳優として活躍する田中圭(40)なのだ。
本作への出演後、’08年に映画『凍える鏡』で初主演を務めたり、’09年の連続ドラマ『子育てプレイ』(TBS系)でテレビでも主演を務めるなど活躍の場を広げた田中だが、本格ブレイクしたのは’18年の連続ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)と遅咲き。死体役での出演は、今となって思えばもったいない起用に感じられるが、こんな点も見どころのひとつになるだろう。