■映画の出演判断は“世界でも評価されるか”を指標に
木村がこれまで出演したドラマ・映画出演作品数は60本以上。『月9』主演は最多の11回を誇るが、「ドラマと映画である“すみ分け”をしているようだ」と話すのは芸能関係者だ。
「ドラマでは主演として数々の職業に挑戦してきました。ピアニスト、美容師、検事、副操縦士、アイスホッケー選手、レーサー、総理大臣、脳科学者、ボディガード、警察学校教官、シェフ、ゼネコンの設計士……など約30にもなります。このようにドラマでは“いろんな役を演じられる”イメージを定着させてきました。
その一方で、映画では“世界でも評価してもらえる要素があるかどうか”に重きを置いていると聞いたことがあります。そのため、映画の出演作品は『武士の一分』(’06年)、『無限の住人』(’17年)、『レジェンド&バタフライ』(’23年)など、海外からも興味を持ってもらえる時代劇が目立つ印象です」
ある映画ライターは木村の海外での評判をこう語る。
「『無限の住人』はアメリカやヨーロッパ各国でも公開されました。同作を手掛けたのは著名なイギリス人プロデューサーですが、木村さんを絶賛し“彼は次世代の三船敏郎になるかもしれない”なんて言っていましたよ」
日本を代表する名優・三船敏郎さん(享年77)。’80年のドラマ『将軍 SHOGUN』にも出演している。木村も名優を意識したのだろうか。
「木村さんは『SHOGUN』は断念したものの、’23年公開の大型国際ドラマ『THE SWARM/ザ・スウォーム』で海外制作ドラマに初出演しました。同作は世界各地を舞台にした海洋SFサスペンスで、彼の役名は“アイト・ミフネ”でした」(前出・芸能関係者)
木村自らその理由を、公式サイトでこう明かしていた。
《海が舞台のストーリーで、“船”という言葉も含まれているので、日本を代表する俳優さんの名を借りて“ミフネ”はどうでしょうと提案したら、みんな受け入れてくれました》
“世界への意識”は冒頭の主演映画『グランメゾン・パリ』にも反映されているようで――。
「映画では舞台が東京からパリに移されました。木村さんが“海外を舞台に、そこで日本人が挑戦するストーリーになるのなら”と続編を快諾したからと聞いています。先月下旬にはスペインの著名な映画祭で“世界最速上映”されました」(前出・芸能関係者)
俳優として世界への挑戦を掲げる木村には、以前からチャレンジしたい題材があるという。
「主演映画のオファーが何本もあるようで、来秋に1本、大作が内定しているといいます。本人としては“任侠作品”に興味があると聞いています。これまで演じたことがなく、かつ日本独自の文化も感じられるからというのが大きな理由のようです。
6年前に発売されたゲーム『JUDGE EYES:死神の遺言』で木村さんは都心の繁華街を根城にする私立探偵・八神隆之を演じていました。相棒は元極道の設定で、この時代から任侠の世界にも関心を持っていたことがうかがい知れます」(前出・芸能関係者)
雪辱を果たす木村の“リベンジ”世界進出作が今から楽しみだ。