■フランスで暮らす息子は成人を迎え……
《今までと同じようにいかなくても、同じではいけないと感じても、挑戦することを諦めないでほしい。自分を大切にすることも未来を生きるために大切なこと。小さなことからでいいから、一つ一つクリアにして、やりたいことを心から楽しむ! 迷いがあっても、何かできることはきっとあると思うんです。あなたはあなたしかいない、と私自身にも言い聞かせながら》(『美ST』’15年6月号)
前出の知人はこう語る。
「彼女からは“親権を譲ることが離婚を承諾してもらう条件だった”と聞いています。 しばらくして彼女に会ったとき、仕事がなくなったことよりも『子供に会いたいけれど、もう会えないんだ……』と悲しそうな表情をしていたことを覚えています」
中山さんは離婚後、息子と再会することはなかったようだ。元夫の辻は昨年、自らのSNS『JINSEI STORIES』(’23年11月7日付)で今の親子関係についてこう投稿していた。
《2人きりで生きて10年になる。もちろん、親戚やママ友たちが「母親代わり」を買って出てくれるのはめっちゃありがたいわけだが、本当の母親ではないので、その不在が彼にどういう影響を与えているのか、いたのか、そこの部分は、ぼくにはわからない。そこだけ穴凹があいたような、空洞にも似た時間が過ぎて、今日に至っている。
親なので、会いたくないことはないと思うが、心理状態だけはいまだに、わからない。母という単語は、ぼくらのあいだで長年、タブーになっている。片親として、いつか、息子の内心を確かめて、心に傷があるなら、癒してあげたいと思うのだけれど、ぼくの心にも穴が開いているので、なかなか、そのことを含め、話し合うことが出来ずに、長い時間だけが、流れてしまった》
前出の知人は続ける。
「最近は公私ともに順調に見えた彼女でしたが、息子さんのことを忘れたことはなかったようです。彼も成人を迎えました。“自分のことを恨んでいるかもしれないけれど、もう一度会って赦してもらいたい”という思いを抱いていたのではないでしょうか」
そんなさなかの無念の急死――。“世界中の誰よりも”彼女が本当に会いたかったのは、離別した息子だったのかもしれない。