12月15日、ついに最終回(第48話)「物語の先に」を迎えたNHK大河ドラマ『光る君へ』。
主人公のまひろ(紫式部)を演じるのは吉高由里子(36)。戦国時代や幕末の武将が主人公になることが多い大河ドラマで、平安時代の文学者である紫式部が主人公に選ばれた新鮮さは、ドラマが始まる前から大きな話題に。また、平安時代という女性の活躍が難しい時代を背に女性の自立や葛藤を考えさせるテーマは、現代の女性たちから多くの支持を集めている。
このようなテーマ設定や脚本とともに、評判なのが俳優たちの好演である。現代を生きるスター俳優たちが、ドラマ内ではまるで本当に平安時代の人々かのよう。彼らが抱く悩みや葛藤は1000年以上も前のものだが、画面越しに視聴者の心を惹きつけた。
そこで特に「演技がよかった」と感じた俳優・女優は誰なのか、『光る君へ』視聴者を対象にアンケートを実施した。今回は、女優編の結果を紹介する。果たして最も演技が光っていたのはーー?
3位に選ばれたのはききょう(清少納言)を演じるファーストサマーウイカ(34)。普段はバラエティ番組で活躍するウイカだが、本作では「清少納言のイメージそのもの」と絶賛される演技を見せた。
藤原定子(高畑充希)に仕え、その生涯を献身的に支えたききょう。作中では、定子への深い敬愛や、その定子を追い詰めた藤原道長(柄本佑)への恨みといった複雑な感情を繊細に表現。また、普段の自信に満ちた振る舞いは、清少納言の才気と誇り高さを感じさせると評判に。
アンケートでは、普段のイメージとのギャップから《意外性もある演技に驚いた》《バラエティの表情とは違って印象的だった》《こんなに演技が出来ると思っていなかったから》《演技力がよい。まひろに嫉妬する演技》と印象が大きく変わったとの声が寄せられた。
2位に選ばれたのは、道長の本妻・源倫子(みなもとのともこ)を演じた黒木華(34)。高貴なルックスや、纏った雰囲気も平安貴族そのものだったが、何よりも複雑な立場を表現する演技が評価されている。
道長の正妻である倫子。しかし、道長の思いは、倫子の少女時代からの友人・まひろにある。祝いの席で道長とまひろが親しくする様子を目の当たりにし、その場を去るシーンではその辛い心境に視聴者から倫子への同情の声が相次いだ。
二人の関係に気づきながらも、本妻としての立場を守る倫子の複雑な心情を繊細に表現する黒木の演技。アンケートでも《なんとなく道長とまひろの関係について勘づいている演技がよかった》《腹に一物持っていそうな雰囲気が良い》《わかっているのに、わからないような素振りが良かった》と評価する声が相次いだ。
第47回のラストでは、倫子がついにまひろに道長との関係を追求。最終回の展開に注目が集まる。
そして第1位に選ばれたのは、やはりというかまひろ(紫式部)を演じた吉高由里子。素性を知る前から互いに惹かれあっていたまひろと道長。身分の差から二人は結ばれることはなかったが、二人は生涯にわたって互いを思い合うことになる。
知的で明るいまひろのキャラクターや、一方で抱える孤独や不安を見事に演じた吉高。特に、今回のアンケートでは《藤原道長と一緒にいる時の心配する表情を現す目の演技が大変印象的で、吉高由里子の女優としての力量に魅了された》《目の動きが非常に良い》と、吉高の表情の演技に絶賛の声が相次いだ。第6話の漢詩の会では、まひろの台詞がない中でも、道長への想いが顔の表情のみでよく表されていた。
そんな吉高の演技を、共演者たちも絶賛。「WEBザテレビジョン」のインタビューで柄本は、たまたまスタジオで吉高が衣装のまま座って筆の練習をしているところに遭遇した時のことを回想し「もうシルエットから何からまるっきり紫式部で、本当にすごいなって思いました」と話していた。実は、吉高の利き手は左だが、平安時代の人物は筆も箸も右手で使用するため、クランクインの半年前から書道の稽古を行ったという。
また、宋の見習い医師・周明を演じている松下洸平も、吉高について「涙を流す芝居がとても素敵」だといい、その演技に刺激を受けていると明かしている。
視聴者からも《やはり雰囲気がキャラに合っているから》《本当に平安の女性と思った><》《喜怒哀楽の表現が終始光っていた。どことなく親近感を与えてくれるから、スッと世界観に入りやすい》とベタ褒めコメントが寄せられた吉高の演技。最終回で見納めとなるのが寂しいと感じる人も多そうだ。