■これ以上持病を悪化させたくない
また、最近の米倉は持病にも苦しめられていた。
「米倉さんは’19年に低髄液圧症候群を発症しており、’21年には急性腰痛症および仙腸関節障害による運動機能障害と診断されています。この持病で一時は引退を考えるほど追い込まれていたそうです。
現在は治療を受けながら撮影に臨んでおり、現場でも頻繁に足腰をストレッチする姿が見られています。
今では体調を考えて仕事を慎重に選んでいるそうで、昨秋の『ドクターX FINAL』も周囲に助けてもらいながらなんとか撮影したと明かしています」(前出・芸能ライター)
敬愛する名優を失い、持病にも引き続き苦しめられるなど、いわば“満身創痍”の状況といえる米倉。冒頭の撮影現場でも、休むための折り畳み式の椅子を持参していたという。
そんな苦難辛苦のなか、彼女が今年に入って決意したことがあったようだ。前出の米倉の知人が話す。
「米倉さんは、’13年には『アペリティフ(食前酒)親善大使』に選ばれ、’19年にはアサヒビールのCMに起用されたほか、『アサヒワインアンバサダー』にも任命されるなど、以前から“お酒好き”として知られています。スタッフらとの飲み会では、時には朝まで飲み明かすこともあったそうです。
しかし、米倉さんは今年に入ってからは乾杯の際に口をつける程度で、お酒を全面的に控えているそうなのです。西田さんのお別れの会に米倉さんが訪れた際も献杯しか飲まなかったそうで、その変わりように周囲は驚いていたといいます」
柏の葉整形外科リハビリテーションクリニックの山田睦雄副院長によると、米倉が患っている仙腸関節障害と飲酒には一定の関連性があるという。
「関節に炎症がある場合、飲酒によって血流がよくなることで症状が悪化する場合があります。そういったことも関係して、状態のよくないときに飲酒を続けると症状の改善が遅れるということもあると思われます」
酒豪だった米倉の断酒決断には、西田さんの逝去による悲しみが大きくかかわっているようだ。
「米倉さんがお酒を控えている背景には、今後女優業を継続してくために、これ以上持病を悪化させたくないという思いがあるそうなのです。
西田さんも若い頃は『浴びるように飲んでいた』と公言するなど、酒豪として知られていました。しかし、50代以降に立て続けに病気に襲われてからというもの、お酒との付き合い方を変えたといいます。
そんな西田さんを米倉さんは尊敬しており、自分も“生涯現役”であるために、彼の遺志を受け継ぐかたちで断酒に至ったそうです」(前出・米倉の知人)
米倉の決断は、天国の“敏ちゃん”にも届いているに違いない。
