北村匠海 『あんぱん』で恩師・妻夫木聡と17年ぶり共演!現場で大絶賛させた「魂のアドリブ」
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■妻夫木の教えが《今でも生きていく糧に》

 

妻夫木にとって教師役は初めてだったという。

 

「教師として感情移入したようで教え子たちとは定期的に連絡をとり、同窓会も開催したんです。北村さんを除くと、集まった生徒役は大多数が役者業から離れていたといいます」(前出・制作関係者)

 

妻夫木は最近のインタビューで、同窓会での北村との思い出をこう振り返っていた。

 

《10年くらい前に『ブタがいた教室』の同窓会がありました。当時の匠海は演技より音楽の比重が強いイメージで、これから音楽で食べていくのかなと思っていたら、どっちもちゃんと才能をキープしていて本当にすごいと思っています。その時匠海が、「いつか一緒に芝居ができたらうれしいです」と言ってくれたことを覚えています》(「婦人公論.jp」’25年6月13日)

 

当の北村もインタビューで妻夫木との映画共演時のエピソードを回顧している。

 

《先生である妻夫木さんは、僕たちに役柄を超えて話してくれたことがいっぱいあって、それが今でも自分が生きていく糧にもなっています。今回「あんぱん」で再会することに運命を感じましたし、しかも戦地で妻夫木さんが横にいてくれたのは、ものすごくありがたいことでした》(「ステラnet」’25年7月29日)

 

今回の『あんぱん』で2人は17年ぶりの共演を果たすことに――。戦時中、中国に出動した嵩と八木の印象的な掛け合いがあった。八木が自分の似顔絵を描いてくれた嵩へ、「卑怯者になることだ」と告げるシーンだ。妻夫木はこのセリフに思い入れが強かったようだ。インタビューでこう熱く語っていた。

 

《嵩の絵が八木の清らかな部分を引き出してくれたと感じています。似顔絵を受け取った八木は、嵩に「弱い者が戦場で生き残るには、卑怯者になることだ」と伝えました。めったに言わない本音が出たのだと思っています。生きるっていうことを本当に改めて感じた、感謝をするような瞬間だったんじゃないかな。ポンと出てしまった言葉だと思いますね。「生きている」ということが全てだと思うんです。どういう姿でも無様でもいいから、生きていればいろんなことが報われる》(「婦人公論.jp」’25年6月13日)

 

そんな妻夫木が、今回の北村の演技に衝撃を受けたという。前出の制作関係者は言う。

 

「2人の共演場面では10分以上、カメラを止めることなく回し続けることもありました。朝ドラの現場では非常に珍しいことです。それだけ2人の演技が白熱していたのです。

 

特に第12週の放送分で、苛烈な戦時下に、八木が嵩へ『卑怯者は忘れることができる。だが、卑怯者でないやつは決して忘れられない。お前はどっちだ?』と問いかけるシーンがありました。それに対し、嵩のセリフは台本では『……』と無言のはずでした。

 

しかし、収録現場で北村さんがしばしの沈黙の後、『……わかりません』と答えたのです。北村さんの渾身のアドリブを妻夫木さんが“しびれた。心が震えた”と大絶賛していました。実際のオンエアでも、このセリフが採用されたのです」

 

“魂のアドリブ”が飛び出した教え子・北村の成長を、妻夫木が心から喜んだ瞬間だったのだろう。

 

北村は妻夫木と『あんぱん』共演時、かつての教えを思い出したとインタビューで告白していた。

 

《子役のひとりに、僕が『ブタがいた教室』に出ていたときと同じ年齢の子がいたんです。僕もそうだったのですが、自分なりに考えた芝居のメソッドみたいなものが芽生えてくる時期なんですね。そんな彼に対して、妻夫木さんが「芝居とは何か」をきちんと説明されていました。それを聞きながら、僕は『ブタがいた教室』のころを思い出す瞬間がたくさんあって……。その語りかけている言葉の裏に「あなたに、もっと輝いてほしいんだよ」という思いを感じました》(「ステラnet」’25年7月29日)

 

師・妻夫木の教えは、飛躍を遂げた現在も北村の心に深く刻まれていた――。

 

画像ページ >【写真あり】17年前の共演作での妻夫木とまだ幼い北村(他4枚)

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