■奇跡のように記憶がよみがえり――
玉緒は雑誌のインタビューでも、このように語っていた。
《私の目下の楽しみは、主人の一番弟子だった松平健くんとご飯を食べに行くことです。松平くんは私のことを「玉緒さん」とは言わず、「奥さん」と呼びます。瞬時に主人が生きていた頃へとタイムスリップするようで、それが嬉しい》(『婦人公論』’21年12月14日号)
師匠の没後も恩義を忘れていない松平は、“奥さん”の窮地に駆け付けたのだろうか。
「松平さんは、玉緒さんの体調が芳しくないことを春ごろの報道で知り、多忙のなか何とか作った時間でホームを訪れたそうです。
ここ最近感情をあまり見せなくなってしまった玉緒さんですが、この訪問の際には、すぐに松平さんだと気づき、再会できたうれしさのあまり涙を流していたそうです。
松平さんが労るように体調について尋ねたところ、まるで奇跡のように記憶がよみがえり、しばらくの間、玉緒さんは思い出話ができるほどにまで状態が回復したそうなのです。表情にも、ここ最近は消えかけていた笑顔が戻り、幸せな時間を過ごすことができたようです」(前出・玉緒の知人)
勝さんの甥にあたる俳優の若山騎一郎(60)はこのように語る。
「もし健さんに来ていただいたとしたら、とてもうれしいことです。昔、健さんが主人公の徳川吉宗を演じたドラマ『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)で、吉宗の母親役に玉緒さんを推薦したことがあったそうです。そうした経緯もあって、今でもおばちゃんは、健さんのことを“孝行息子”のように思っているのではないでしょうか」
松平の所属事務所に玉緒との面会について取材すると、以下のように回答があった。
「夏ごろに玉緒さんのホームを訪れたことは事実です。松平は玉緒さんのご体調を心配しており、かねてより訪問を望んでいました」
マツケンパワーは、感情の起伏を失いかけていた玉緒に大きな希望を与えたに違いない。
画像ページ > 【写真あり】玉緒の老人ホームをサプライズ訪問した「スター俳優」(他9枚)
