11月21日に公開された、『サマーウォーズ』や『時をかける少女』など、大ヒット作を世に輩出してきた細田守監督(58)の新作長編アニメーション映画『果てしなきスカーレット』。
芦田愛菜(21)や岡田将生(36)、役所広司(69)など豪華な声優陣を迎え、4年以上の制作期間をかけついに公開された待望の新作だ。しかし、初週末4日間の興行収入は2億7000万円と、細田監督の前作『竜とそばかすの姫』公開時の、初週末3日間の3分の1にも満たない数字という厳しい出だしに。さらに興行通信社が発表した公開2週目となる11月28日〜30日の動員ランキングでは、早くもトップ10圏外となり、それ以降も再浮上した様子はない。
一部では“大コケ”という評価も聞こえてくるなか、巻き返しに向けた“呼び水”が――。
12月8日に本作の公式Xで、全世界順次公開とラージフォーマット上映を記念して細田監督自身の手によって新たに描き下ろされた、’06年の『時をかける少女』から『果てしなきスカーレット』までの歴代ヒロインキャラのミニ色紙(全7種)を、入場者特典として同月13日より数量限定で配布されることが発表された。
劇場でのみ入手可能なレアアイテムの発表に喜ぶファンの声が多くみられるいっぽう、X上ではこんな指摘もあがっている。
《そこはスカーレットのキャラで勝負しろよ》
《今更配ってもな 最初に見た人には 何もくれず。》
《何で過去作なの?てのもあるけど、何で監督の絵なんだ?キャラデザやった方々が描いた絵とかじゃないんだ……。》
《なぜ過去作が入場特典に…?》
こうした指摘がつく背景について、ある映画関係者は言う。
「まず、入場者特典の内容が公開日数によって変わることは特にアニメ映画ではよくありますが、『スカーレット』はそもそも最初から特典がついていなかったので、公開4週目にして初めてつけられることで、それまでに見たファンからしたら“なぜ最初からつけてくれなかったの”と思ってしまうでしょう。
また、『スカーレット』だけではなく、過去作のヒロインをずらりと並べるというのも特典内容としては珍しいでしょう。もともとこれらのイラストは今年の夏に細田監督が描き下ろしたそうで、当初から特典として配布する予定があったのかもしれません。ただ、『スカーレット』が興行的に大苦戦し、評価も芳しくない今の状況では、“過去作に頼っている”と捉える人がいるのも決して不自然ではないと思います」
興行的には“不調”とされているが、入場特典ひとつで論争が巻き起こる本作はいまだに注目を集めていることは事実。これから興行収入のV字回復はありえるのだろうか――。
