YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で、デビュー30周年を迎えた歌手の西川貴教(55)が、7月10日に『HOT LIMIT』を披露するや、3日間で、史上最速で1000万回を突破し、急上昇ランキング1位を爆走中だ。
「THE FIRST TAKE」とは、2019年より運営されているYouTubeチャンネル。「一発撮りで音楽と向きあう」をコンセプトに、メジャーシーンで活躍するミュージシャンたちが一発撮りでパフォーマンスを披露する映像を不定期で公開している。
西川のパフォ―マンスについては、コメント欄も、
《アニキすごいな》
《これ以上夏を刺激しないでくれ」》
《あと30年後もこの衣装で歌ってほしい》
《28年間、夏を刺激してきた男だ。面構えが違う》
《一生歌上手いなこの筋肉の養成》
と、大喜利状態で、公開から6日間で1500万回超えも間近だ。
「西川さんの『HOT LIMIT』は、テープを巻いたような黒い衣装で、すぐに曲名がわかるビジュアルの夏歌として知られています。さらに、現在の西川さんが鍛えた体で、今もあの衣装を着て登場したことで注目されて、短期間で急激にバズる勢いを見せました」
と、西川人気の理由を分析するのはジャーナリストの松谷創一郎さん(52)だ。この「THE FIRST TAKE」が注目される背景には、曲がフルで披露されない地上波音楽番組の“機能不全”があり、その欠落をこのチャンネルが埋めていると指摘する。
「『THE FIRST TAKE』は歌を中心に据えて、一発録りをし、編集も加工もないので、その緊張感とライブ感が人気を呼んでいます。歌に特化しているのはカラオケ文化が浸透している日本らしいコンテンツですし、歌詞にもこだわりのあるJ-POPファンがじっくり聴けることが支持されているのでしょう」(松谷さん、以下同)
「THE FIRST TAKE」の累計再生数の上位10本は、Creepy Nutsの『Bling-Bang-Bang-Born』を除き、9曲は2020年から2023年の公開となっている。
「上位3本の『猫』(DISH//〔北村匠海〕)、YOASOBIのデビュー曲『夜に駆ける』、『鬼滅の刃』の主題歌の『紅蓮華』(LiSA)は、SNSやアニメ主題歌としてヒットした曲で、このチャンネルがコロナ禍で急成長した時期と、楽曲の人気がうまくシナジー効果を起こし、その後も継続的に視聴されている結果ととらえられます」
音楽をじっくり聴かせるチャンネルとして、ヒット曲を生み出す起点となっているのだ。
「『夜に駆ける』も『紅蓮華』も、このチャンネルがヒットへ導いた効果は大きいと考えています。
若い世代にとっては、YouTubeが中高年世代にとっての昔のテレビのように、音楽との最初の接触メディアになるんです」
Vaundyがプロデュースし、milet×Aimer×幾田りらが歌った『おもかげ』が、2022年の『NHK紅白歌合戦』出場へとつながったのも同じ延長線上にあるという。
「ただ、音楽メディアの中心がYouTubeやストリーミングサービスになってから、アーティストの発表する新曲にとってもっとも手強いライバルは、今回の西川さんの『HOT LIMIT』がバズったように、“過去曲”になっています。
スピッツの『チェリー』のように、30年近く前の曲がCMで注目されてヒットし、なかなかランキングから動かないケースもありました」
西川の『HOT LIMIT』が発表された1998年は、日本音楽の最盛期で、それを支えていたのは年間200万人が誕生した第二次ベビーブーム世代(1971~1974年)だ。
「当時20代だったこのボリュームゾーンが、現在は50代前半となっています。西川さんの黒い衣装の記憶を軸に、この世代のハートをがっちり掴んだことが、今回バズった最大の要因ではないでしょうか」
今や、世界中で視聴される「THE FIRST TAKE」。次は、どんな過去曲アーティストがバズリを見せて、世界に羽ばたくだろうか。
画像ページ >【ランキングあり】「THE FIRST TAKE」再生回数 歴代ベスト12(他10枚)
