■「作品を事前に確認させていただいた」担当者が明かしたタイアップの意図と過程
批判が相次ぐ背景について、あるWEBメディア記者は言う。
「番組の出演者はタトゥーや刺青を入れている人がほとんどで、“前科持ち”や“極道”出身者もいます。もっとも現在はどの出演者も、真っ当に生きるためそれぞれの生活に向き合っていることでしょう。ただ番組では、初対面で掴み合いのケンカを始めて警備員に止められるという場面も。演出の一環かもしれませんが、こうした“ワル”を強調した描写は少なくありません。
8月11日に配信開始された第5話では、ある出演者が“人に火をつけて3日後に捕まった”という過去の不祥事を告白し、視聴者の間で物議を醸しました。そうした流れもあり、法務省保護局によるタイアップも不安視されてしまったように思います。
そもそもNetflixは、契約者だけが視聴できるコンテンツです。しかし、国の機関が特定の番組をタイアップしたとなれば、その番組には少なからず公共性が生じるでしょう。『ラヴ上等』は地上波では放送できないほど強烈な表現も多いため、保護局のタイアップに“ヤンキー文化をコンテンツとして消費する番組を後押ししている”“被害者に寄り添っていない”と否定的に捉えた人もいたようです」
13日にはMEGUMIがインスタグラムのストーリーズを更新し、出演者への誹謗中傷を控えるように呼びかけるなど深刻な事態に発展している。本作をめぐって波紋が広がるなか、タイアップした法務省保護局は世間の反応をどのように受け止めているだろうか?
本誌が13日に同局に取材を申し込むと、14日に担当者から文書で回答が寄せられた(以下、カッコ内は担当者)。
まず、改めて本作をタイアップした意図を尋ねると、こう説明があった。
「『ラヴ上等』は、単なるヤンキーの恋愛リアリティーショーではなく、出演者それぞれが過酷な生い立ちや過去の罪など生きづらさを抱えながらも自分と向き合い、葛藤し、他のメンバーや地域の方々との関わり合いの中で少しずつ成長していく姿が描かれた作品であり、この点が、犯罪や非行をした人を社会から切り離すのではなく、地域の中で立ち直りを支え、再び歩みだせるようにする取組である『更生保護』にも通じるものがあると考え、タイアップさせていただくことになりました」
そして、タイアップに至る過程や番組側とのやりとりについては、「出演者の発言や作品の演出については一切関与していませんが、作品の完成後にネットフリックス様からタイアップのお話をいただき、できあがった作品を事前に確認させていただいた上で、今回のタイアップを決定しました」と明かしていた。
なお、Xなどでタイアップに批判が寄せられていることについては、「今回のタイアップについて、さまざまな御意見があることは承知しており、否定的な声も含めいただいた御意見は真摯に受け止めています」とコメント。
その上で、「他方で、本タイアップは、犯罪や非行を肯定・美化するものではなく、罪を犯した人等が自らの過去と向き合い、地域社会の中で再び歩み出すことを支える『更生保護』について、より多くの方に知っていただくきっかけとすることを目的としたものであり、本作品全体を通してそのメッセージを感じていただければと思っています」と強調した。
いっぽう、ある出演者が番組内で語った“人に火をつけて3日後に捕まった”というエピソードが波紋を呼んでいることについては、「個別の発言や作品上の演出について、当省として評価や見解を示す立場にはありません。また、(繰り返しになりますが、)本タイアップは、出演者の過去の犯罪や非行そのものを肯定したり、軽視したりするものではありません」とことだった。
最後に、本作のタイアップを通じて、ポスター以外に更生保護の取り組みを周知する予定があるかどうかを尋ねると、「タイアップの企画として、現状お示しできるのはポスターの作成のみです」と回答があった。
画像ページ >【写真あり】全身に“刺青びっしり”の男性が中央に…波紋呼んだポスター(他1枚)