[E:note]「人生に寄り添う歌…」。普天間さんが人々に届けたいメッセージを真剣に言葉に託されているからこそ、その女性のような思いをされた方がいるのでしょうね。ほかにはどんな声が?
普天間:男性側のお話として、奥様を亡くされた旦那様が、仕事も趣味も何もやる気がおきない。自分も死んでしまった方が楽かもしれない、というような毎日を送っていて、自然とお友達や周囲とのコミュニケーションも少なくなってしまった。そんなときに、たまたま『守りたいもの』を聴いて私のライブにも来て下さったのですが、音楽を聴くために外出するなんて何年ぶり、いや何十年ぶりのことだったそうです。その方いわく、「僕の心が解けるにはまだ時間がかかるけれど、でも、解ける前の何か小さなヒビのようなものを入れてもらった気がしました。ありがとう…」というメッセージをいただきました。

[E:note]素敵な、というと変ですが、すばらしいメッセージですね。
普天間:本当03_2、ありがたいことに、みなさんの人生の大きな場面で、この曲を私が思っている以上に、大事に受け取って聴いて下さっている方が多いんですよね。それが再発売を決めた理由の一つでもありますし、やはり世の中に音楽を届ける仕事をしている者として、私がみなさんに届けるべきこと、伝えたいものはこの『守りたいもの』だなぁって、1年やってきた中で確信しましたね。みなさんから寄せられる言葉に後押ししていただいたと思っています。まだ聴いていない方のほうが多いと思いますので、この機会によりいっそう、たくさんの方にも届くようにと願っています。

[E:note]ところで、普天間さんはふだんどんなジャンルの音楽を聴かれているのですか? どなたか影響を受けたミュージシャンの方はいらっしゃるのでしょうか?
普天間:この人にとても影響を受けた、というのは特別いないんですけど…、キャロル・キングやサラ・マクラクラン、カーペンターズも大好きですね。そういう意味では、女性で、ソングライティングもし、表現者でもあり、というミュージシャンに対してや、声の持つ温かさなどに魅力を感じることが多いですね。けっこういろいろ聴きますよ。

[E:note]アルバム『Precious』の中で、モンゴル800の『小さな恋のうた』をカヴァーされていますよね。
普天間:もともとモンゴル800の楽曲が好きで、いい歌詞で良いメロディを作るなぁと感心しますし、何より同郷ですからすごく親しみも湧きまして、彼らの頑張っている様子に、こちらもパワーをもらいますね。というのも、沖縄というところは、昔、琉球だった時代やそれよりもずっと古い時代から、きっとずっと変わらず音楽を愛してきた島。つまり、沖縄というのは芸能の島なのですよ。またいろいろ、時代に翻弄されるような、けっして明るい面だけではないことも音楽とともに乗り越えてきたように思います。沖縄の人間と音楽、そこに“島のDNA”というものがあるような気がするんですね。そして、彼らモンゴル800の音楽を聴いていると、そのDNAが若い世代にもきちんと受け継がれているような気がするのですよ。沖縄の人間同士、年齢的には後輩ということもあって、うれしい、愛おしい気持ちになりますね。

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