[E:note]まずは30周年おめでとうございます。新しいアルバムは、一足早く夏が来たようですね。 マリーン:今回はおかげさまで、みんなの熱意があふれてて「思ったよりもすごくいいのができた」という感じです。しっかり作ったという意識はなくて、アレンジひとつとっても、とても自然に楽しめました。カルロスさんの優しさが伝わってきて、私がわがままをいっても「わかった」と。私がどうしてもある人の曲をやりたいって言ったときも、「今回は違うかも」とすごく優しく言ってくれました。しかも、それ以外はほとんど全部聞いてくれましたね。[E:note]具体的には、どんなわがままを?マリーン:曲もほとんど最後まで決まっていた段階で、私が「このコードじゃなくてこっちがいい」って言ったり。カルロスさんは「わかった」「マリーンの思ってるようなことを、できれば全部やってあげたい」と言ってくれました。曲も『アイル・ネヴァー・フォール・イン・ラヴ・アゲイン』と『クッド・イット・ビー・マジック』の2曲を最後にプッシュしたんですけど、もしかしたらイメージが合わないかも? と思ってたの。自分がプッシュしたから責任重大。「本当によかったのかな」と自分でもすごく焦って。でも、さすがカルロスは、アメリカ人のスティーヴ・サックスっていう方にアレンジを頼んでくれたんです。彼が、他の人には絶対出せないようなアレンジをしてくれて、すごく素敵に出来上がった。今回のアルバムにもすごく大きい影響を与えてくれたと思うんですよね。[E:note]「こうしなきゃ!」と決め込んでやったというよりも、ああしたい、こうしたいという思いを大切に作ったんですね。マリーン:そうね~。すごくいい出来でも、そこからコード変えたりとか、例えば「フッ」といくのか「フゥ~ッ」といくとか、それこそ学生が練習しているような。みんなが本当に少年の気持ちを持ったようでね、よかったな~と。ほんとに楽しくてしょうがないっていう感じなんですね。でも結構難しい曲もあったんですよ。歌ってみて「なんだ! この曲こんなに難しかったんだ~!」って。たとえば『エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ』なんかは、昔からダイアナロスが歌ってるの聴いていた曲なのに、実際自分で歌うとすっごく難しいの。新しい発見がいっぱいありましたね。だからいまだに頑張れるのかも。撮影/永田理恵[E:camera]取材/吉田知美[E:pencil]