「Lの世界シーズン5」“ローレル・ホロマン” 特別インタビュー


「この番組を離れると、私はただの母親で妻だから(笑)」

——最後のシーズンの撮影も終盤に入ってきていますが、この6年間を振り返ってみていかがですか?

imageローレル・ホロマン(以下L)この作品の最後を迎え、私はとても興奮しているわ。テレビシリーズとして6年間も放映されるというのはとてもいい結果だったと思うわ。私のキャラクターについて言えば、彼女が最終的に辿り着いたところをとても気に入っているの。最近の二つのシーズン、シーズン5と6で彼女が行き着いたところがね。彼女のストーリーが終わりに近づいていると私も感じているの。このキャラクターで語るストーリーはもう何もないような気がしているわ。だから(この役を終えて)違うことをすることにはとても興奮しているの。でも、ここでの友人関係についてはとても寂しく思うでしょうね。多くの素晴らしい友人が出来たから。でも、、、そろそろ時間だと思うわ(笑)。私たちがこういった番組や似た番組、似たキャラクターがもっと作られるための足固めになったのならいいんだけど。テレビの他の方向性を示すようなものにね。

——あなたはティナを6年間演じてきています。その間彼女は激変しています。
L 私のキャラクターのこと。

——そうです。
L そうね。キャラクターはかなり多くの変化を遂げてきたわ。

——その変化している人生とあなた自身の人生と重なる部分はありますか?特にシーズン5や6の中で。
L そうね。ある部分において、私の人生と似通っているものはあるわ。ある部分ではまったく違うけど。私は結婚していて、ストレートだしね。男性と一緒で子供が二人いるの。私はどちらかと言えば、ティナがいかにパートナーシップを築いているかという点に共感しているの。なぜならそういった関係はセクシュアリティに関係なく似たものだからよ。だから時々自分の結婚からかなりのものをこのキャラクターに持ち込んでいたわ。私もこのキャラクターやいかに彼女がコミュニケートするかなど多くのことを学んだわ。ベットとティナは時々コミュニケーションをとるのがあまりうまくないの。私に言わせると、二人は全体的にあまりコミュテーケーションがうまくないわ。彼女たちはなにが起きているかをいつもちゃんと把握しないで反応したりしているの。でも特にシーズン5でどんなことになったかと言えば、、、、シーズン4でも少し感じたことだけど、彼女たちは友だちになるの。シーズン5では彼女たちはより大人としてコミュニケートし始めるの。お互いに相手に尊敬の念を持って接し合うようになるの。そういったことは私の人生に対してある程度影響を与えたと思うわ。でも私の人生は(彼女とは)まったく別のものなの。このキャラクターと私自身はかなり離れていると感じているわ。この番組を離れると、私はただの母親で妻だから(笑)。少し似ている点はあるわ。キャラクターが持つ(相手への)忠誠心には間違いなく私も共感出来るし、自分の人生でも感じていることなの。ロサンゼルスのこういったコミュニティーや女性のグループは、時々閉鎖的になったり、特徴のある振る舞いをするの。私自身の生活はずっとプライベートで、それほどグループ的ではないの。だからそういうのはとても重要なことだったわ。それはサブカルチャー的なものなの。いかにみんなが関係を持ち、お互いにセックスをし合うかといったことはね。私の人生では起きないことなの(笑)。でも演じるのはグレイトよ。

(工事の音)

——この6年間、同じ役をやってこられたというのはとてもラッキーだと思います。もうすぐ終わりますが、今一番どういったことを感じていらっしゃいますか?楽しかったかとか、大変だったかとか、寂しいとか、いかがですか?
L そうね。グループとしてみんな一緒に、何かちょっと極端なこととかとっても可笑しいことをした時が一番楽しかったわ。誰かがとてもクレイジーなことをした時に、なんとか笑わないように我慢したりとかね。シーズン6で、、、とかいうこともあるけど、それは話せないの。そういうことが一番楽しい思い出よ。とても可笑しいことが起きたりしたの。撮影中に起きたちょっと変なこととかね。シーズン5で、私たちが「チャーリーズ・エンジェル」を真似したことがあったの。リーシャが大きなかつらをかぶって、ファラ・フォーセットみたいだったの。そしたら撮影の途中にそのカツラが落ちて、みんなで大爆笑したの。それで撮影がなかなか終えられなかったのよ。みんな転げ回って笑っていたの。そういった思い出を思い返すと悲しくなるわ。これだけ多くの女性が出ていて、キャラクターたちがお互いの生活に関わり合う番組を見つけるのは難しいわ。そういったタイプの仕事を見つけるのはね。そういうのがなくなるのはとても寂しいわ。でも私は変化するということを強く信じているの。新しいことをやるということをね。それに、私のこの仕事を20年間やっているの。だから、(この仕事は)過去20年間のうちの6年なのよ。次に何が起きるのか、見てみたいと思うわ。答えになったかしら?(笑)

——シーズン1からこれまで、ティナというキャラクターは成長していると思うんですが、新しいシーズンに入る毎に、成長している役の役作りのアプローチというのは変わってきているんでしょうか?
imageL そうね。普通は、自分のキャラクターがそのシーズン、どのようになっていくかわからないものなの。大体はわかるけど。アイリーンは、私たち全員と会って、どういったことが起きるか話すための時間を取ってくれるのよ。だからどういったことが起きるか少しはわかるの。ティナが男の人と付き合うようになり、1シーズンか1シーズン半くらいバイセクシュアルになるって聞いた時のことを覚えているわ。すごくショックだった。「何ですって?!」って感じだった。そういうことになるとは思ってもいなかったの。でも、彼女のヒストリーを見ると、ベットと一緒になるまではずっと男性と一緒にいたの。そして彼女たちの関係が崩れてきて、彼女が裏切られた時、多くのドラマが起きるの。彼女がまた男性に戻るというのは理にかなっているわ。そして、多くの質問を投げかけることが出来るの。「なぜ私のキャラクターはこういうことをするのかしら?」とかね。アイリーンはそれでとても素晴らしいことをしたと思うの。なぜなら、彼女は「私の多くの友だちにそういうことが起きたから、そういうストーリーを語りたい。彼女が男性と関係を持つことで、どういう人間になるのか見てみたいの」って言ったのよ。そして、彼女にどういうことが起きたかを見てみると、、、これはある一つのシーズンだけのことだけど、、彼女は男性との関係において、自分自身を充実させることが出来たの。なぜなら、彼女はベットとのアルファ=ベータの関係で押しつぶされていたからよ。彼女たちは、どうすれば対等のパートナーになれるか学んでいなかったの。だから、ティナは自分自身でそういうことを学ぶの。何が興味深いかというと、それが男性との関係において起きたということよ。でも、究極的には彼女は一人ぼっちなの。そして、彼女は自分自身でいたいの。それがこのキャラクターにとって最も大きなチェンジで、私は毎シーズン、「私のキャラクターを一人にさせて。彼女にデートさせて。彼女をシングルにして」って戦ってきたの。そしてついに、シーズン5でそういうことが起き始めたのよ。このキャラクターが一人でいるところを見るのは大事なことだと思うわ。なぜなら、最初、彼女はキャラクターとして、従属的だったからよ。シリーズのパイロットの最初でね。各シーズンのはじめ、どういったことが起きるかはわからなくても、そのキャラクターが成長していくためにはどういうことが起きる必要があるか、6年も経てばわかってくるものなの。でなければ、常に同じことを繰り返していることになってしまう。たまに、、、今シーズンでは何度か私が「これは、シーズン5で私たちがクリエイトしたキャラクターじゃないような気がする」と言ったことがあるの。それで、そういうところは変えることになったの。それはとても嬉しかったわ。もし誰かがそういうことを知っているとしたら、それはそのキャラクターを演じている人なのよ。「このキャラクターはこういうふうに行動すべきじゃないと思うわ」とか「彼女は過去5年間で何も学ばなかったということになるわ」とかいうふうにね。多くのキャラクターがいるから、ライターたちがすべてのディテールを入れ込むのは大変なことなの。だから、「ここで同じことを繰り返したくないわ。このキャラクターがどのように成長したか見せたい。彼女が成熟したところを見せたいわ」と言うのは役者の責任なの。そして、観客もそういうのを見たいと思っていると思うのよ。

——妊娠中にも撮影を続けられて、ずっとティナと向き合ってこられたわけですが、精神的にも肉体的にも一番大変だった時期はいつですか?
L 精神的にもっともチャレンジングだったのは、シーズン1の最後だと思うわ。ベットがティナを裏切って、すごく幅広い演技が必要とされるシーンで、そこからセクシュアルなシーンへとつながっていくの。でもあれは、セックスについてじゃなくて、パワー、悲しみ、あこがれ、後悔、怒り、そして深い深い憤りについてのシーンだったの。アイリーンがやって来て「誰も女性がああいうふうにセクシュアリーにコミュニケートするのを見たことがない。それをスクリーンで見せたかったの。それはとても珍しくて稀なことだし、あなたたちには出来ると思う」と言ったのよ。そしてそれは、もっとも難しいシーンだったの。トニー・ゴールドマンが監督したの。彼は素晴らしい監督よ。ジェニファーと私は、関係が崩れる時にどういうふうに感じるものか、その真実を語ることにとてもコミットしたの。裏切りがあり、誰かが罪の意識を感じている。そして、彼女たちはコミュニケートしようとしてセックスしようとするの。そしてもう一人は、苦痛を和らげようとセックスをするのよ。そしてそれは、、、、それがまるでレープのようだと思った人がいるけど、それは誤解だと思う。そうじゃなかったのよ。まったくそうじゃなかったの。なぜなら、そのシーンの最後で、私のキャラクターは彼女の上に乗っているんだから。その瞬間に感じることは、多分この二人がセックスをすることは長い間ないだろうということなの。これで終わったということよ。二人の関係は崩れてしまったの。ああいう精神的に大変なシーンをやったことはそれまでまったくなかったわ。映画でも、テレビシリーズでもね。本当にすごく大変だったわ(笑)。それから、もう一つの質問は何だったかしら?

——肉体的に大変だったのは?
imageL 肉体的に。多分あのシーンは肉体的にもすごく大変だったわね(笑)。シーズン5でバイキング(バイクに乗る)のエピソードをやったの。あれはとても強烈だったわ。バイキングそのものがじゃなくて、夜によく撮影したの。毎晩、キャンプファイアーの横で起きていないといけなかったの。私は夜の撮影はそんなに得意じゃないのよ。寝に行きたいの(笑)。昼間に撮影したい方なのよ。肉体的に大変だったのはそういうことかしら。でも、何か新しいことを学ぶのは楽しいわ。だから、一つか二つのエピソードでそういうことをするのは好きなの。何か新しいことを学べるのはね。肉体的にはね、、、。妊娠していたのは随分昔のような気がするわ。だからそれが大変だったかはわからない。でも、特に最後の方で、、、16時間働いたら、その次の日、起きたら破水して病院に出産しに行かないといけなかったの。そういうことは二度としないわ。妊娠についてもっと知っていたらそういうことはしなかったわ。でも、妊娠したことはそれまでなかったから、そんなこと知らなかったのよ(笑)。そして、私の赤ちゃんは早産だったの。あれはなかなか大変だったわね。自分が妊娠しているところをもっと後になるまで見なかったの。「オー。私って本当に大きい妊婦ね」って思ったわ(笑)。自分の娘にいつか見せたいの。だから、すごく大変だったけど、そういう思いをする価値は十分あったわ。

パブリシスト あと5分で彼女をセットに連れていかないといけません。次が最後の質問です。

——キャリアの中で、6年間、同じキャラクターを演じるのはかなり特殊だと思いますが、今、ティナという役はあなたにとってどういう存在ですか?
L 彼女が私にとってどういう存在かというのは、このTVシリーズが終わって離れてみるまでわからないと思うの。そうなったら、振り返ってみて「アア、私たちはポップカルチャーの一部となり、世界に影響を与えた、この画期的なTV番組をクリエイトしたんだわ」って思えると思うの。そういうことに気づくのは難しいわ。今私がそう言うのは、これまでどうだったかがわかっているからよ。なぜって、今私はこうしてあなたたちとお話ししているわけだから(笑)。でも、この番組が終わって、私の生活が少し落ち着くまでは、そういったパースペクティブを持てるかどうかはわからないわ。このキャラクターが私の中でどういう存在であるかということに関しては、、、私の個人的な人生の多くのことが、このTV番組と一緒に起きたの。パイロット版を撮影する3日前に結婚したし、仕事をしていた次の日に娘を出産したしね。また、シリーズをやっている途中で、もう一人の娘を養子にしたの。だから、このキャラクターを作っている間、同時に多くの豊かで個人的なことが私の人生に起きたのよ。そういったことが私に起きたことはそれまでなかったの。映画をやっていたりして、長い間どこかにいるということもあったけど、個人的な生活はとても静かだったの(笑)。ティナは私にとってエキストラの意味合いがあるの。私の個人生活の大きな発展の大きな里程標となっているからよ。コミットメントのね。

——サンキュー。
L サンキュー。

 

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ろーれる・ほろまん★

’71 年5月23日、アメリカのノースカロライナ生まれ。ロンドンの演劇学校やニューヨーク大学で演技を学ぶ。’95年映画『2ガールズ』でデビュー。その後『ブギーナイツ』(’97)、『ノンストップ・ガール』(’00)等に出演、TVシリーズの主な出演作は『エンジェル』(’01~’02)、『WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え!』(’03)など。番組スタート時の’02年に結婚、’04年には娘を出産した。

『Lの世界』シーズン5
DVDコレクターズBOX
8月21日10,290円(税込み)で20世紀フォックス ホームエンターテイメントより発売 レンタルは8月21日VOL.1-3、9月2日よりVOL.4-6

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