3月17日に始めてのエクササイズDVDを発売する梅宮アンナさん。37年間避け続けてきた「運動」にトライした理由。運動することでみえてきたもの。国民的家族“梅宮ファミリー”の話。40代を前に、新たな自分と出会ったという梅宮アンナさんにたっぷりお話をききました。

——はじめに今回のDVDを出そうと思ったきっかけを教えてください。

image私がちゃんと運動を始めたのが去年の8月で、そのときにはまさか、こういうものが形になるとも思っていなかったですね。そもそも運動を始めようと思ったのは、自分を変えたかったからなんです。今までやってきたことを振り返って、梅宮アンナとして、人に新しいものを、メッセージをドンドンドンドンおくっていかなければいけないのに「私、みんなにちゃんとしたものをメッセージできてないな」ってすごい思っていて。次の自分のステージを自分でつくろうと、って思いました。

私のブログは、今までも、いつもメッセージがあって、なにかしら人が使えるようにあるし、このコーディネートがどう、とか、これはどこで買ったからどう、とか、そういうことは、自分のなかでは当たり前のものなので、なにか違うステージで違う物をみんなにメッセージしていかないといけないなって思っていたんです。

そこで、じゃあ、私に何が足りないか? と言ったら、それは「運動」。自分でもわかっているのね、体を動かさないといけない、っていうのは、わかっているんです。でも、言いたくなかったの、「運動が足りません」って。そういうことは言いたくもなかったんですよ。なぜなら運動が嫌いだから。それに言ってしまったら、やらなきゃいけない。でも、さすがにもう、やらなくてはいけない時にさしかかり……。あと3年したら40代だよね。あと8年したら45才だよね。私このまま運動をしなかったら大変なことになっちゃうよねえ、って。

じゃあ、そのために、ちょうどアラフォー世代と言われる私の、この時代の人間として、私と同じような37才の人は、今、何をしているのかな? 主婦の人たちはなにをしているのかな? って言ったときに、うん、これは運動だ、って。自分を変えなきゃ!梅宮アンナを改造しなきゃ!ってことで、マラソンを始めました。

それでいちばん嫌いなマラソンというものに、足を踏み込み、始めたそうそう「ホノルルマラソン」という目標ができて、で、3ヶ月の間にトレーニングしたりいろんなことをやっていった結果、ホノルルマラソンを完走できました。6時間をきりました。ほんとは7時間台を目指していたのに、5時間55分で走れた自分をすごく感激して、今までやったこのトレーニングを形にしなきゃ! と思って、こういう形になったんです。まさか去年の8月に、こんな風になると思ってなかったねえ。でも、始めたことで、運動をやる意味と大切さをすごく味わいました。

——私も運動を避けてきているんですけど、よりによってマラソンといういちばん大変そうなところにトライするっていうのがすごいですね。

私は、嫌いな物に直面したときに、ぜんぶ逃げてきたのね、なにもかも。放り投げるか、なにか理由をつけて、いつも後回し。でも、後回しにするって、後回しも放り投げるのも一緒で、結局自分に帰ってくるんですよね。だったら、きちっと立ち向かおうと思ったし、いつまでそんな風に逃げているの? って思ったら、自分が凄い嫌になっちゃったの。

いろんな人が世の中にはいるけど、運動をしなきゃ絶対にダメな人の一人だったんですけど、今までずっとやってこなかったから、今も、ストレッチで足が開くかっていったら全然開かないんですけど、でもやっぱりそこを、辛いけど、痛いけど、やる! だって、やらなければ、いっこうに固いまんまだし、やればちょっとずつ広がってはいくから。

——DVDを「アンナさん柔らかいんだなあ」って見ていたら、「半年前は床に着かなかった」ってDVDのなかで仰ってて……。

imageそう、着かなかった、着かなかった! 着かなかったし、だいたい運動着を着るのも嫌だったのね。アハハ。それに、スニーカーとかもすごい嫌だった(笑)。でも、今はそういうものを選ぶのがすごく楽しくなったし、コーディネートを考えるのもすごく楽しくなっていって。冬は冬で楽しいし、夏は夏でまた楽しいし。

——あらゆる意味で世界が広がるような経験だったんですね。

うん、広がったと思いますね。今まで、私の話ってたぶん「どこどこのブランドがどうこう」とか、そういうブランドの話しかなかったと思うんですね。それが、生まれて初めて自分の身体の話ができるようになったことが、すごく嬉しいんです。それに運動する人とお話ができるようになったりもして。例えば、“マラソンをやってる”ってきくと「一緒に走ろうね」とか言ったりして、マラソン仲間みたいなのができてきたりとか。

今は、歩くこと、走ることを軸として、そっこからどんどんいろんなスポーツができるようになればいい、と思ってます。決して、マラソンだけ、っていうのではなくて、マラソンを軸とした何か、っていうところを目指しているんですよね。今週山登りに行くんですけど、そういう、いろんなものにトライできたらいいな、って。

——DVDの中で「マラソンを完走したときに、体はボロボロだけど心は輝いている」というようなことを仰ってましたが、フルマラソンを走ることでそういう気持ちを味わえるのか! とすごく興味をもちました。

imageそうそうそう。ただね、マラソンを好きになる日がくるのかな、って思っていたんですけど、私来ないと思う。昨日も走ったけど、やっぱり辛い。すっごい辛いし、苦しい。でも、そこはみんなそうなんだと思うんですよね。はっきりいって、楽なものではない。

私は、走ることを一生好きになることはないと思う。だってつらいもん! 苦しいし、ほんと空気とか薄いし……。でも、ゴールした自分に会いにいきたいんだよねえ。うーん、あの達成感と、自分が走る前のときよりステージがちょぴっと、1ミクロンかもしれないけど、そのちょこっとのぼっている自分にすごく満足するし、また、みんなにお話ができたりとかするし、なによりイキイキするんだよねえ〜! 

もちろん生きてきて、生きていて、毎日、嫌なことって必ずあって、頭に来ちゃうこととかもあるし、落ち込んで泣くときもある、仕事のことでいっぱいぶつかることもあるんだけど、マラソンを始めて落ち込む時間が少なくなった。だから心のためにいいんだと思います。身体、っていうよりも、私は心が健康になることがいちばんの目的かもしれない。

——体が締まるとか、痩せるってことがむしろオマケのようなことなんですね。

そう。ついてくるだけなんですよ。一石二鳥。心も楽しくなって、物の捉え方とかが、違ってきたりとか、より敏感になると思う。マラソンをやっている人と話したんだけど“フルマラソンに行くと仏になるよね”って。走っていると、ホントに、嫌なことも良しとできるし、今まで心に詰まってきたものが出ていって。……最高のデトックス! かもしれない。もう、体から全部でるから! なにからなにまで。もう体中、塩ばっかり、真っ白になっちゃうの。塩もでて、すごいデトックス。それで仏になっちゃって(笑)。なにをやってても笑っちゃうの。普段だったらカチンとすることを人に言われても「こんなことで怒ちゃいけないよね」ってなる。それは、フルマラソンでしか味わえないんですよ。

関連カテゴリー: