時代の変わり目にはあとの時代にまで名を残す偉人が現れる。幕末、明治維新に活躍した西郷隆盛や、いつも西郷の傍らにいた中村半次郎(後の名を桐野利秋)がそう。
同郷の偉人として中村半次郎に憧れていた俳優・榎木孝明さんは『半次郎の映画をつくりたい』と思い続けること13年。そして10月9日より映画『半次郎』が公開されることになりました。(九州地方先行公開中)
幕末維新の乱世を駆け抜けた男たちの生きざま、意地、終わりの美学があますことなく描かれた作品は混迷のこの時代にこそふさわしい作品です。
古武術の遣い手で劇中で見事な殺陣をみせる榎木さんに、映画『半次郎』の制作エピソードなどをうかがってきました。
えのき・たかあき★
鹿児島県出身。劇団四季に入団後、84年NHK朝の連続テレビ小説『ロマンス』主演でテレビデビュー。おもな出演作にTVドラマ『浅見光彦シリーズ』、『篤姫』、映画『天と地と』などがある。時代劇から現代劇まで、映画・テレビ・舞台と多方面で活躍する。
映画『半次郎』
出演:榎木孝明 AKIRA 白石美帆 竜雷太ほか
九州先行ロードショー中、10月9日よりシネマート六本木ほか全国順次公開
配給:ピーズ・インターナショナル
(公式サイト)http://hanjiro-movie.com/
©2010「半次郎」製作委員会
(ストーリー)幕末の動乱期、京都に新撰組さえ恐れる若き薩摩の侍がいた。彼の名は中村半次郎。生まれは貧しい下級武士の家柄。折しも欧米列強が開国を迫り、日本の独立が脅かされている頃、半次郎は薩摩の若き侍たちの中心的存在・西郷吉之助が京に上がると聞いて、自分も加えてほしいと願い出る。半次郎は問う。『侍らしく“義”の為に死ぬには、どげんしたらよしごわすか』。その後終生を共にする運命の2人の出会いであった。