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演劇界からも高い評価を受けている、劇団「東京セレソンデラックス」の解散公演が10月より始まる。「かねてからファンだった」と話す斎藤工は、12年の歴史のフィナーレを飾るこの公演で、念願だった出演を果たした。

さいとう・たくみ★

81年8月22日生まれ、東京都出身。高校時代からモデルとして活躍し、国内外のショーに出演。01年、映画『時の香り~リメンバー・
ミー~』で俳優デビュー。ドラマ『最上の命医』(テレビ東京系)、映画『愛と誠』(12年)などに出演。10月28日(日)より『日10☆演芸
パレード』(TBS系)のMCとしてレギュラー出演。

舞台『笑う巨塔』

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作・演出/宅間孝行
キャスト/宅間孝行 芦名星 斎藤工 金田明夫 他
〈東京公演〉10月3日(水)~28日(日)、サンシャイン劇場にて。
〈大阪公演〉11月13日(火)~18日(日)、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。ほか全国計7カ所で公演。
問い合わせ/株式会社オフィスセレソン (03‐3373‐0601)
(オフィシャルサイト)http://ts-dx.com/wp/waraukyotou/

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井元文子(Creative GUILD)

 

――斎藤さんは、もともと東京セレソンデラックスのファンとお聞きしていますが。
「そうです。セレソンの舞台は、演劇で、人間の根源的なところの感情を揺さぶる点がすごいな、と以前から思っていて」

――いずれは、同じ舞台に出演したいと思っていたんでしょうか。
image「縁があれば、絶対に出られると思っていました。これまでも、自分のターニングポイントとなる人たちとは、いいタイミングでお会いしているんですよ。(同劇団の主宰の)宅間(孝行)さんも、そういうご縁があったのかなと思います」

――映画、ドラマと立て続けに出演されていますけど、今回の舞台の仕事は縁だと。
「自己啓発本ではよく『いいことをイメージしなさい』と書いてあったりしますけど、僕はそれでダメになったときに、立ち直れないんです(笑)。プライベートでも恋愛でも。ならば、低めの設定をイメージして、いい展開になったら、倍、うれしいんじゃないかと、そう思ってきました。今回のオーディションも『宅間さんに会いに行く』みたいな感じで臨みました」

――それで、出演が決まったんですね。
「はい。でも、オーディションのとき、手違いでセリフ原稿が1枚、足りなくて。相手役の方とやりとりをしていて、すっごーい間があって『なんでカットかからないんだろう』って思っていたら、宅間さんが『セリフは?』って。そのときはもう『あ、ダメだな』って思ったんですけど」

――それは、びっくりですよね。混乱したのでは?
「混乱したんですけど、それが逆によかったのかなぁ、と。今回の役と自分のキャラクターがハマッたのかな、と解釈しています。真相はまだ聞いていませんが」

――今回の役どころとは?
「総選挙を間近に控えた代議士の息子であり、秘書でもあるという役で、父の健康問題を必死に隠していく設定です。病院というワンシチュエーションで、いろんな立場の方がやってきて、そこからバタバタと……」

――宅間さんの脚本を読んだときの感想をお聞かせください。
「すごくテンポよく書かれていて“リズムが見える”ので、ポンポンと読めるんですよ。しかも、人物造形が深く設定してある。一見、ライトなのに、緻密なんですよね」

――コメディ作品ということですが。
image「『笑いをいかに取っていくか』という感じです。僕自身はシュールなコメディが好きで、『笑わすぞ』というものより、なんとなく滑稽、みたいな笑いが好きなんです。笑わせようと思うと、笑いって案外と、取れない。今回も、一生懸命な人間が滑稽に見える、という部分を演技で伝えられたらと思っています」

――舞台と映像の仕事では、違いはありますか?
「舞台だからこそ見つめ直せることがあったり、いろいろなことを考える時間があったりしますね。舞台に立つことで、見えない自分と向き合うことができるので、役者として修行の時間になります。貴重な経験を今、しています」

――プライベートな部分も少しお聞きしたいのですが、斎藤さんはお休みの日などは、何しているんでしょう?
「自分のプライベート? 何かドラマ性があったらお伝えしたいんですけど、ぜんぜん面白くないですよ。映画を見ていますね、ひたすら。ただ、それだと家から出ない生活になってしまうので、リハビリを兼ねて運動しています」

――では、最後に『笑う巨塔』の魅力や見どころをお聞かせください。
「宅間さんもおっしゃっていますが『遊園地に来る感覚で(劇場に)来てほしい』ということです。この作品は、『人を楽しませる』というぶれない大前提があるので、一人でも多くの人に楽しんでもらいたいと思います」

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