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夏恒例のアニメ〝ポケモン〟の劇場版新作『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ「神速のゲノセクト ミュウツー覚醒」』が全国東宝系にてロードショー中。今作に初めてゲスト出演する高島礼子さんは、人間の手によって生まれた、最強クラスのポケモン、ミュウツーに挑戦した。

たかしま・れいこ★

’64年7月25日生まれ、神奈川県出身。’88年、ドラマ『暴れん坊将軍III』で女優デビュー。以降、映画『陽炎』(’96
年〜)、『極道の妻たち』(’99年〜)などに出演。’01年、映画『長崎ぶらぶら節』で、第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。近年のおもな
出演作品は、映画『HOME
愛しの座敷わらし』『マダマスカル3』(ともに’12年)、ドラマ『ハンチョウ〜警視庁安積班〜シリーズ6』(TBS系)、舞台『女たちの忠臣蔵』(座
長)などがある。

映画『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ「神速のゲノセクト ミュウツー覚醒」』

監督/湯山邦彦 7月13日(土)より全国東宝系にて大ヒット上映中
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
©Pokémon
©2013ピカチュウプロジェクト

撮影/福田ヨシツグ

ヘアメイク/曽我和彦(ヘアーディメンション)

スタイリスト/犬走比佐乃

衣装/トップス(ファイブフォックス カスタマーサービス/バジーレ28)問・0120‐114‐563

その他 私物

 

今回は、『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ「神速のゲノセクト ミュウツー覚醒」』(全国東宝系にてロードショー中)でゲスト声優を務めた高島礼子さんにインタビュー。
夏恒例のアニメ〝ポケモン〟の劇場版新作で、人間の手によって生まれた、最強クラスのポケモン、ミュウツーに挑戦しました。

-今回、ポケモンのゲスト声優のお話がきたときの心境は?
お話が来たとき、最初「ポケモンって、あの『ポケモン』? ミュウツーって、あのミュウツー?私が?」と驚きました。じつは私、知る人ぞ知るポケモンファンなんです。「絶対やるでしょ!」って大興奮で(笑)。 台本が届いてもまだ信じられないほどでした。録音するまで、「本当に私だよね?」っていう感じでした。

-ポケモンファンとは知りませんでした(笑)
子どもたちのようにポケモンの名前をすべて覚えるということはないんですが、ただ単に、疲れたとき、テレビでやっていたら、そのまま見入ってしまうし、映画をしていたら、フラッと映画館に入って見ることもあります。めちゃめちゃ癒さるんですよね、かわいくて、かわいくてしょうがない(笑)。ポケモンの名前や彼らの鳴き声にハマっちゃうんですよ。ポケモンを好きになるのに、年齢は関係ないと思います。

-ミュウツーの声を録音するにあたって、「どんな声にしようか?」とか考えましたか?
imageドラマに入るときもそうですが、私自身、あまり役を作り込んでしまうと、現場での監督のアドバイスが耳に入ってこなくなってしまうんです。「私はこう思う」とか考えたり、練習しすぎたりすると、言い回しがクセになることもあって。ですから今回、タイトルも『ミュウツー覚醒』というくらいなので、変に作るのはやめようと思ったんです。セリフを覚えて、あとは監督の指導を仰ぎながら、現場で感じたまま素直にやりたいなあという気持ちで臨みました。

-これまで、『マダガスカル』シリーズなどで声優を経験されていますが、ポケモンはほかの作品と違う点も多かったのでは?
まったく違いましたね。ミュウツーは口が動いてないので、今までみたいに口の動きに合わせる必要がないのから楽かもしれないなあ、と思う反面、「あまり侮っていはいけない。何かが待ってるかも……」と思ったら、確かに待ち受けていましたね(笑)。

-何が待っていたんですか?
ポケモンは、ポケモン同士、テレパシーで会話するんです。私、こんなに好きなのに、それを知らなかったんです。口を動かさないで話をしているのは、テレパシーで会話をしていたんですね(笑)。「テレパシーな会話ってどんな感じなの?」とまったく想像もつかなくて(笑)。録音が始まってすぐのころは大変でしたね。今回、山寺さんをはじめ、先に録音を済ませた方の声を聞きながら音入れをしたんですけど、確かにちょっと違うような気はするんです。「どうしよう……初っぱなからキター!」って感じでしたね。ほかの方々に比べて相当時間がかかったと思うんですけど、監督をはじめ、スタッフのみなさんが根気よくお付き合いしてくださいました(苦笑)。しかも、会話という会話よりも、どちらかと言えば、『うっ!』とか『やっ!』という、奇声のほうが多いですしね。

-工夫した点やポイントにしたところは?
私の癖なんですけど、声で何かを表現したいとき、感情を入れすぎてしまうというか、大芝居的な物の言い方になってしまうんです。そこをもう少し淡々と話すように心がけて、監督からはよく「凛として」と。迷えるポケモンたちに言い聞かせるような、相手に有無も言わせぬ強さがあって、それでいて説教臭くならないようにしたいなあと思いました。ミューウツーの凛とした強さをどう表現したらいいのか……。やはり声だけで表現するというのは難しかったですね。

-一視聴者としてではなく、作品の制作に参加してみて、改めて『ポケモン』が愛される理由を感じましたか?
image声優さんたちの力ですね。それと、あの動かない目に魅せられますよね。どアップになることがよくあるんですよね、今まではそれを普通に見ていたんですけど、声を入れながら「この絵に心を持っていかれるんだな」って(笑)。無駄な動きが一切なくて、バトルシーンはものすごい迫力。そこに声優のみなさんの声がかぶさると、ものすごい世界観が生まれる。あらためて「ポケモン、恐るべし!」と思いました(笑)。

-〝神速〟というくらいですから、ものすごいバトルもあるんでしょうね?
そうですね。「うっ!」「やっ!」って、自分でこんな声が出たんだなあ、という意外な発見をしました。ふだんは、そういうセリフはなかなかないですからね。ピカチュウなんて、“ピカピカ”で喜怒哀楽の全部を表現してるんですよ。“ピカ”の2文字で表現してるってすごいですよね。あらためて、声優さんたちの声は素晴らしくて、本当に引き込まれます」

-今回の『ポケモン』のテーマやメッセージは何ですか?
友情とか愛、勇気……それは、これまでの作品の中につねにあったテーマだと思うんですよね。今回、ミュウツーで言えば、やはり〝覚醒〟したということ。これがテーマであり、見どころの一つです。それと、ゲノセクトも同じく、人の手によって作られ、自分の意志でなく蘇ってしまったポケモンの切なさや哀しさなんです。

-ゲノセクトは3億年前の化石から蘇ったポケモンなんですね。
自分の意志ではなくて、半ば無理やり蘇らせられてしまったっため、世界は自分が初めて見るものばかり。「ウチに帰りたい」と言うのが、とてもせつないんです。「ウチに帰りたい」というのは、「家や家族、仲間っていいでしょ」という意味も込められていると思うんです。ミュウツーとゲノセクトが最後、地球を見ながら言うんです。「今まではゲノセクトだけの家族だったけど、この星で生まれた人間もポケモンも、みんな仲間なんだ」って。〝絆〟という、今の日本には一番大切なテーマです。

-高島さんご自身、〝絆〟について考えることはありますか?
image考えますね。思えば、昔、主人と2人で始めたホームページのタイトルが『絆』でした。「名前を何しようか?」といろいろ考えて、ふと出てきた言葉ですが、おそらく、日ごろからそういうものを欲していたのかなあと思うんです。私自身、どちらかと言うと、人と広く浅く付き合うのが苦手で、多くの人に等しく愛情を持っておつきあいするのは難しいと思うタイプで。意識的に交友関係を狭めてしまうところがありました。でも、ここ最近、もう少し広げて、いろんな人のお話をしたいなあと思うようになって。そう思うと、仕事でも、私生活でもいろいろないい出会いがたくさんあるんです。それがとても楽しくて、50歳を目の前にして、あらためて絆というものを感じたところでもありました。まさに、〝高島礼子の覚醒〟ですね(笑)。若い人は若いなりのいいお話が聞けたりするんですよ。今まで、おつきあいしてこなかった世代の人やジャンルの人とも、いろいろな話をしてみてもいいかなと思いますね。

-先輩たちからいろいろな話を聞きたいと思う若い世代も多いと思います。
それまで、なんとなく避けてきたというのがあるんですよ。仕事が長引いたりして、お友達と約束したことが守れない自分もイヤだし、若い人とも、「どうせ、年配の話なんて聞きたくないだろう」と思って避けてしまっていた。もちろん、相手が近寄って来てくれれば、受け入れ態勢はあるんですよ。でも、自分から行くことはいっさいなくて。自分からコミュニケーションをとって仲良くやりたいなあと思った時期もありました。でも、うざく思われたらイヤだなあ、と勝手に思っちゃったんです。だから、結構長い間、自分からは飛び込んでいかないという姿勢を通していました。本当、覚醒したかもしれない(笑)。

-最後に、今回の映画を観る方たちにメッセージをお願いします。
やっぱり、あの迫力あるバトルは劇場の大スクリーンで見てほしいですね。絵もすごく迫ってくるし、音響もすごいですよ。お子さんだけでなく、大人同士、カップル同士でも本当に楽しめますから。本当に泣けるし、笑えるし、見終わったとき、ニンマリしている自分に気づき、さらに笑顔になれると思います!

-高島さんは、お一人で映画を観に行くんですか?
一人ではないですけど、誰かと買い物していたとき、たまたまやっている映画を「行っちゃう?」みたいな軽い感じで観ることが多いですね。それで、観てよかったと思うものもあれば、ガクッとくるものもあるけど、それも面白いですね。

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