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「豪華なキャストと接するのは、気遣いが大変だと思っていました。でも、今となっては快感になっています」
華やかな広告業界の裏側をコミカルに描いた映画『ジャッジ!』で、長編映画の初メガホンをとった永井聡監督が嘆くのも、当然。世界一のテレビCMを決める広告の祭典に、無理やり参加させられた落ちこぼれ広告マンを妻夫木聡が演じ、その同僚役には北川景子が。さらに豊川悦司、鈴木京香、リリー・フランキー、竹中直人などが脇を固めるなど、きらびやかなキャスト陣なのだ。これまで話題のCMを数多く作り出した永井監督だが、映画の世界は少し勝手が違ったという。
「CMの撮影は、1〜2日という短期間で和気あいあいと行われますが、映画の場合、さまざまなプロが集まり、1カ月間、撮影が続きます。それをまとめるのは、難しかったですね。現場では、CM出身のスタッフと映画を作ってきたスタッフとの軋轢(あつれき)もあり、戸惑ったこともありました。それでも、誰もが『あいつらには負けられない!』とパフォーマンスを発揮してくれたことが救いでした」
時代の最先端ともいうべきCM業界に身を置く永井監督。そのオシャレな風貌の奥には、いい作品を作るための貪欲なまでの情熱がみなぎっている。
「映画の役柄同様、疲れたスタッフに声をかけたり、場を盛り上げたりと、いい雰囲気を醸し出してくれた妻夫木君と、撮影開始3日目で意見がぶつかったんです。でも、最終的には『監督に100㌫任せる』と言ってくれました。しかもその後は、僕の想像を超える演技で応えてくれました。百戦錬磨のほかの俳優さんたちも同じ。『気遣う』だけではダメなんです。こちらの情熱をぶつければ、しっかり応えてくれるプロといっしょに仕事させてもらったことは、大きな財産になりました」
そんな彼が最後にこう語る。
「メールやネットでコミュニケーションできる時代ですが、人の心を揺さぶる作品にするためには、制作現場ではぶつかり合うことが必要。摩擦がよりよい化学反応になる。それが痛快になるんです」
■プロフィール
ながい・あきら★’70年生まれ、東京都出身。武蔵野美大を卒業後、’94年に葵プロモーション(現AOI Pro.)入社、CMディレクターに。映画監督作は『いぬのえいが』(’05年)に続き2作目、長編映画はデビュー作となる。
■告知など
映画
『ジャッジ!』
監督/永井聡 1月11日(土)~、全国ロードショー。公式サイトはhttp://judge-movie.com/©2014「ジャッジ!」製作委員会