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歴史好き女子の中でも、もっとも人気の高い戦国武将といえば? ご存じ、真田幸村。徳川家康が豊臣家の滅亡を狙った大坂冬の陣・夏の陣で、堂々と家康に挑んだ幸村と、彼を慕った勇士たちを描いた舞台『真田十勇士』。主演の上川隆也は、この作品の幸村にほれ込んでいるという。
 
「じつは幸村は、大坂の陣まで無名の人物でした。ここで名を上げなければ、何者でもなかった武将なんです。それだけに、武士として支えていた豊臣家のため、己れの命を賭して戦う。一瞬の輝きのために生きたところに侍の生きざまを感じます。しかもこの作品の幸村は、ただ強いだけではなく、悩んだり迷ったりもする。人間臭さも魅力です」
 
義に生き、苦悩する戦国武将……まさに女性ファンの心をくすぐる男だが、舞台上では、猿飛佐助(柳下大・やなぎしたとも)、霧隠才蔵(葛山信吾・かつらやましんご)ら豪華イケメン十勇士とともに大胆な殺陣が繰り広げられる。彼らの前に立ちはだかる家康は、貫禄たっぷりの里見浩太朗!
 
「里見さんは、ひと言発するだけで舞台の空気が変わるほど、重厚感がある。僕らはこの大きな相手に向かっていくため、稽古でもとにかく積極的に動いています。殺陣も、僕のは下手の横好きですが、楽しい(笑)。里見さんに戦いを挑めるだけでも光栄だし、うれしいです」
 
舞台装置もかなり珍しい。床面に、滑り落ちそうな傾斜が設けてあるのだ。
 
「この傾斜にはさすがに僕も驚きましたが、これが川の流れ、時の流れを表現していると聞いて、納得しました。ここで40人もの人間が入り乱れて戦うんですから、まさに常識破りのすごい場面を見ていただけると思います」
 
もうひとつ重要なのは、戦う人の心情を歌い上げる主題歌『月はそこにいる』を中島みゆきが歌っていること。上川は、高校時代から中島作品の熱烈ファンなのだ。
 
「この作品が縁で、ライブに行き、楽屋にもご挨拶にうかがいましたが、ご本人を前にすると何も話せず……。でも、台本を読まずに書かれたのに、作品の神髄をすべて見通されたような曲に、感動しました」
 
結末には、時空を超えた、すごい仕掛けが待っている。
 
「『劇団☆新感線』の脚本を書かれている中島かずきさんが、長年あたためてきたという作品だけに、史実をふまえながら『こう来たか!』と誰もが驚くラストになっています。今年、もっとも熱い舞台のひとつになると確信しています。
 
■プロフィール
かみかわ・たかや★’65年5月7日生まれ、東京都出身。中央大学経済学部在学中の’89年、演劇集団キャラメルボックスに入団。’95年、NHK70周年記念日中共同制作ドラマ『大地の子』で主役に抜擢される。舞台、テレビで活動するほか、アニメ『天元突破グレンラガン』ではアンチスパイラル役で声優として出演。
 
■告知など
舞台
『真田十勇士』
 
東京公演/8月30日(金)~9月16日(月)、赤坂ACTシアターにて。名古屋公演/9月21日(土)~23日(月)、中日劇場にて。大阪公演/10月3日(木)~6日(日)、梅田芸術劇場メインホールにて。公式サイトはhttp://www.sanadajuyushi.com/

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