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「恥ずかしくなるほどゆっくりとしたスピードでしたけど、自分が目指すものに向かって、つねに前進してこられたことは、すごく幸せでした」
歌手生活50周年を迎えた大月みやこ。大きな節目の今年、『女のかがり火』に続き、新曲『いのちの海峡』をリリース。’64年のデビューから通算117曲目のシングル作品を前に「好きな歌を歌っていられるだけで楽しい」と、その思いは50年間変わらず。朗らかな笑い声は乙女のよう……。
振り返れば、18歳で芸能界入り。大阪の歌謡学校時代にレコード会社の目に留まり、トントン拍子でのデビューだったが、その後、なかなかヒットに恵まれず、春日八郎や三橋美智也の舞台で前座を務める不遇の時代が長く続いた。
「三橋さんのような素晴らしい歌手の声を間近で聞けることが、ただただ幸せで。顔も名前も知られていない私の歌に、観客のみなさんが大きな拍手を送ってくださるんですよ。毎日が楽しくて、スターになりたいなんて、考えたこともありませんでした」
ようやく花開いたのは、’83 年の『女の港』。デビュー20年目にしての大ヒットだった。
「すべてはスタッフのおかげ。大月みやこという歌い手の持っているものを、どういうふうに引き出してやろうか、と思ってくれる人たちに出会えた。私は彼らが与えてくれるものを表現する、プロフェッショナルになることだけを考えてやってきました」
だが、そんな大月にも 〝秘策〞があった。
「今まで、スタッフに自分から注文を出したことがないんです。『この作曲家とやってみたい』とか、まったくね。でもそのためには、私自身に『まだ何かある。こういう歌を歌わせたい』というものを自然と備えておく必要がありました。もちろん大変ですよ、疲れちゃいけないんだから(笑)。人に感動を届ける仕事をしている者として、素敵でいることは当然なんです」
明るく、前向きな性格。いつまでも輝き続ける秘訣は?
「この間、海岸でプロモーションビデオの撮影をしていたら、20歳くらいのイマドキの青年が、『わっ、きれいなお姉さん!』って言ってくれたのよ(笑)。瞬間的にもそう見えたら、そのほうがいいじゃない。大切なのは、そんなふうに何でも楽しめることです。風景でも何でも、何かを感じることが大事。そして何よりも、自分の可能性を信じ続けることで、素晴らしい人たちと出会えると思いますよ」
 
■プロフィール
 おおつき・みやこ☆’4 6年4月23日生まれ、大阪府出身。’64年、シングル『母恋三味線』で歌手デビュー。’83年『女の港』が大ヒットし、’86年、NHK紅白歌合戦への初出場を果たす。’92年『白い海峡』で芸術祭賞、第34回日本レコード大賞を受賞。その後も、『より添い花』『心ひとすじ』『女…さすらい』などの作品で、数多くの音楽賞を受賞する。10月29日(火)、東京・渋谷公会堂にて50周年記念コンサートを開催。
■告知など
CD 『いのちの海峡』
キングレコードより、シングルカセット、マキシシングルともに1,200円(税込み)で発売中