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今年4月にリリースしたシングル『花時』で話題沸騰中のシンガーソングライター、蘭華。両親は中国人、出身は大分県と日本と中国の文化をあわせ持つ彼女が発信するメッセージとは?

 

蘭華(らんか)

大分県出身。趣味:神社仏閣めぐり/俳句/アート鑑賞。’02年シングル『~Roots』でデビューし、日本と中国の架け橋を目指してライブを中心に活動。’14年4月に発表した『花時』のカップリング曲『三日月の影』がNHK-BSドラマ『ダンナ様はFBI』の主題歌に。7月26日に行われる「サザンビーチフェスタ2014」に出演が決定している。

―――歌手を目指したきっかけを教えて下さい。

「両親が歌うことが好きで小学生の頃からずっと週末は、カラオケボックスに行くのが家族の娯楽でした。その後も、中学・高校と友人と一緒にカラオケに行ったり、文化祭があるといつもステージの上で歌っていましたね。でも、高校3年生までは大学に進学して女子アナウンサーになろうと思っていました。そんなときに地元のカラオケボックスの店長さんから「蘭華ちゃん、今度大分県のカラオケコンクールがあるから出てみない?」って言われたんです。ちょうど当時リアルオーディション番組『ASAYAN』がブームだったこともあり、モノは試しだと思って出場したら入賞したんです!それで勘違いしちゃって(笑)。急遽、進路を変更して母親に「大学行かない。歌手を目指す」と宣言して上京しました」

 

―――ご両親は反対されませんでしたか?

「あきれてましたね(笑)」

 

―――’02年のデビューから12年。当時の蘭華さんにアドバイスをするのならどのような言葉をかけますか?

「過酷な道だと伝えたいです。デビューしてすぐに当時所属していた事務所と方向性が合わず離れることになりました。そこからまた一からオーディションを受けて、事務所探しを始めて。その頃はまだ若かったので、大きな事務所に所属したらすぐにメジャーになれると思っていました。でも現実はレッスンや曲作りの日々。それに加え、どんどん後輩が大きな舞台で歌っていくようになり、売り出してもらっている姿を見ることもつらかったですね。野球で例えると、高校3年生なのに万年ベンチで、1年生、2年生のスター選手が出てくるのをずっと指を咥えて見ているような感じ。本当に忍耐と挫折と試練の繰り返しでした」

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―――趣味に、神社仏閣巡り・俳句とありますが。

「仕事も恋愛も友人関係も上手くいかないという時期が20代半ばにありました。そのときに女性雑誌で“女の子に効く神社仏閣スポット”という特集があって、藁をもすがる気持ちで当時6位になっていた調布の神社に行ったんですね。参道を歩いていたら、ささくれだっていた気持ちがふわふわと溶けていくのを感じました。それからは何かつらいことがあると、近所のお寺に行ってベンチに座ってひなたぼっこしたりして。また、私の歌詞は、よく言えば“素直”で、悪く言うと子どもっぽいというか・・・ストレートなんですね。なので、スタッフや事務所の社長から「比喩表現を使ってもっと深みのある詞を書いてみて」と言われたとき、コピーライターの学校と俳句が思い浮かびました。コピーライターはまさに“今”を表しますが、私は自然の美しさや、日本らしさも曲に加えたいと思っていたので浅草にある句会を訪ねました。五・七・五という17文字しかない世界で一番短い表現形態を学ぶことで作詞にも役立つだろうと思ったのがきっかけです」

 

 

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