沖縄発特撮ドラマ『ハルサーエイカー』。沖縄の雄大な自然と、作品の独特のテンポがくせになると子どものみならず大人の間でも話題になっている。シリーズ第2弾で主人公の姉・ハルを演じている沖縄出身の女優・AKINAが作品と沖縄について語る。
AKINA(あきな)
’97年デビュー。ダンスボーカルグループFolder、Folder5ではメインボーカルを務める。その後ソロ活動を開始し、現在はドラマ、舞台、映画と女優として幅広く活動している。
‐‐‐『ハルサーエイカー』もシリーズ2作目。周りの反響は感じますか?
「感じます。地元の家族はもちろん、『ハルサーエイカー2』のDVDが完成したときに、市井紗耶香さんや松本英子さんなどお子さんがいるお友達にプレゼントしたんです。そうしたら子供たちがハマってくれたらしく、お泊りのときにDVDを持っていってくれたという話を聞いて嬉しかったです。子供たちってそういうところは素直だと思うので、何を言っているか理解できないセリフもあるはずなのに、好きになってくれて嬉しかったです」
‐‐‐ハルとAKINAさんは似ている部分があるのでしょうか?
「似ているというより、きっと脚本家の山田さんと岸本監督が演じやすいように作っていってくれたんだと思います。感情も入りやすかったです。また、人生でこんなに役について考えたことはないというくらい考えました。’12年に放送されましたが、良いきっかけであり、AKINAとしても転機になった作品です」。
‐‐‐劇中で大きく分けてハルが3回成長すると思うのですが、どんな気持ちで演じましたか?
「1回目は描かれていない部分のストーリーを自分のなかで作りました。妹のアイは身長も高く、なんでもできるハルサーエイカーで、ハルができないことを全部こなしてしまうじゃないですか。それをいつもおじいに比べられたり、いろんな人に「え?姉ちゃんなの!?」と言われ続けることでアイへのコンプレックスを抱えるようになったと思うんです。自分を見てくれているのではなく、妹のアイと比べられてやっと自分が存在しているということが嫌で、ハルはカンジャーエイカー(鍛冶屋) になりました。そして、アイと対面すると、目を合わせないようにしたり、セリフにはなくても行動に出てしまう。その部分を1話~3話にかけて段階を踏んで演じました」
‐‐‐なるほど。ハルが体験した成長とともにAKINAさんのなかでも変化はありましたか?
「ハルもそうですが、今まで自分のことだったら「まぁ、いっか」と諦めていた部分がありました。でも、誰かが困っていると助けたくなる気持ちは諦められないと思うんです。アイを助けるためにカンジャーエイカーも辞めたり、後半になるにつれて、中途半端じゃいけないという覚悟で人と関わっていくようになります。それを演じていて、私もそういう人でありたいと思いました」