image

「震災から5年たちましたが、今も月1度はチャリティボウリング大会や演芸ライブを継続して行っています。この震災は復興するまでにすごく時間がかかるものです。だから自分たちも楽しみながら支援をしていかないと続かないと思っていますし、自分に負担がないやり方だから続けられている気がします。毎月、ボウリングをしたいからしているだけ。舞台に立つのが好きだからライブをしているだけ」

 

こう語るのは、マジシャンのマギー審司さん。’11年3月11日、未曾有の被害をもたらした東日本大震災から5年。当時、日本中から支援の手が差し伸べられた被災地にも、徐々に日常が戻りつつあるかのような報道もなされている。しかし、本当に順調に復興は進んでいるのか。取材を進めていくと、現地の人々の声からは、遅々として進まない構想、そして震災の“風化”という問題が見えてきた−−。

 

「震災が起きてから少したったころ、街頭募金を芸能人の方と一緒にしたんですが、そのときは2週間で1千万円も集まりました。震災直後は募金箱を見たら『入れなきゃ』という人が多かった。でも、回を重ねるごとに、募金箱を持って立っていると、みんな口には出さないけれど、『まだやっているの?』というような空気を感じることも。メディアで取り上げられないと、もう大丈夫なんだろうと思われちゃう。しょうがないことかもしれませんが、震災が風化しているという現実はあると思います。でも、まだまだ風化させてはいけない問題なんです」

 

先日、仕事で岩手県の陸前高田市に行ってきた審司さん。地元の人は「復興まで、あと10年はかかる」と語ったという。

 

「だから5年は節目ではないんですよ。折り返し地点でもないし、まだ折り返されてさえもいない。それはすごく伝えたいです。地元の人は5年目を何の節目だとも思っていない。でも、それが被災地以外の地域に伝わっていない気がします。現地では、ぐしゃぐしゃになったまま手つかずで残っている建物がいまだにある。土地のかさ上げがどれだけ大変な作業で時間を必要とするものなのかも、行けばわかると思います。ですから、僕は『1回でいいから現地へ行ってみてください』ということを言い続けたい」