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「僕は視聴率はあまり気にしないほうですが、NHKの連続テレビ小説は注目度が高く、友人たちがメールなどでそのつど連絡をくれるので、少しずつ気になってきてしまいました(笑)。そういう意味では、スタートから好調だと言っていただけているのはありがたいことですし、ほっとしてもいます」

 

こう語るのは、放映開始から毎回20%超の高視聴率を続けている『とと姉ちゃん』の脚本を担当する西田征史(まさふみ)さん(41)だ。現在はドラマや映画の脚本家・演出家として活躍する西田さん。実は彼の前職は、お笑い芸人だったという。

 

西田さんは中学、高校と学習院で学び、学習院大学法学部法律学科を卒業したが、在学中に芸能事務所のオーディションに合格。95年、お笑いコンビを結成した。

 

「高校3年のときに『中学、高校、大学とエスカレーターで進学して就職するという人生の流れ』にふと違和感を覚えて“流れ”を変えてみたくなったんです。オーディション雑誌で芸能事務所が芸人を募集しているのを見つけて応募したところ、運よく合格。事務所で出会った佐野忠宏さんとコンビを結成しました。やっていたのはコントで、初めてテレビに出たときのネタは『生まれてきた赤ちゃんが大人だったら』。ネタ作りは僕の担当で、これは、お父さんが病院の待合室で待っていたら、バスローブをまとったオールバックの男性がやってきて『お父さん、やっと出られました』と。いま思うと、ちょっと恥ずかしいですが、演芸新人大賞の決勝に進んだこともあったんですよ(笑)」

 

そんな彼が「芸人には向いていない」と痛感することがあったという。

 

「ある番組にアシスタントとして出演していたときのこと。収録中に、突如司会の方から『なんかおもしろいこと言って』」と言われたときに、僕は何も言うことができなかった。

これがトラウマになって、以降、舞台や人前で“あまりしゃべらない人”になってしまった(笑)。そして、芸人としての限界を感じました。もう一つは収入です。芸人になったころの月収は数百円ぐらいで、24歳で約10万円。それでも実家暮らしでしたから生活できたし、遊ぶこともできた。ただ、先々のことを考えると『月収10万円じゃまずいんじゃないか』『このままでは発展性がないな』と思って、24歳のときに辞める決心をしました」

 

そして西田さんが選んだ次の仕事が脚本家だったのだ。

 

「芸人として5分のコントネタを書く日々のなかで、『いろいろな登場人物を創造し、物語を作ることが好きだな』と。そう感じて、5分ではなく60分とか、90分くらいの長さで、物語をしっかり見せることをしてみたいという気持ちが芽生えて、その分野に進んでみようと思ったんです」

 

出演者などからも高い評価を得ている『とと姉ちゃん』の脚本。元お笑い芸人が綴るそのストーリーからは、今後も目が離せない!

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