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「夫と一緒に見るのはなんだか忍びなくて……録画して、ひとりでこっそり楽しんでいます」−−そんな40代以上の女性も多いのが、NHK総合テレビで金曜の夜10時台に放送されているドラマ枠の通称“ドラマ10”。開始当初は火曜だったが、今回はおもに女性視聴者を意識して再開された。

 

「ドラマ10のヒロインに決まり、素直にうれしいという思いと、『え〜、私が!?』というプレッシャーのどちらも感じています。30代になり、これからまた女優としての新しい扉を開きたいですね」

 

そう語るのは、11月18日からスタートする『コピーフェイス〜消された私〜』で、ドラマ10枠で初めてヒロインを演じる栗山千明(32)。’16年春には林真理子原作の『不機嫌な果実』(テレビ朝日系)でヒロインを演じ話題を呼んだ。同じ時期にドラマ10で放送していたのが、石田ゆり子主演の『コントレール〜罪と恋〜』だった。

 

「私が出演した『不機嫌な果実』は少しコミカルさもありましたが、『コントレール』の世界は真逆。石田さんの魅力と相まって、“大人の秘めたもの”を感じました」

 

それから半年を経て、自身もドラマ10のヒロインを演じることになった。

 

「ふだん以上に緊張しています。恋愛要素のある作品こそ難しいと思っているので、自分の中でも難易度が高いです。いつも感じているのですが、私たちの世代は30代でもまだどこか“子ども”な感じがします。10年とか20年前の“30代”女性は、ファッションや見た目も含めて、もっと大人なイメージがあるんです。たとえば、子どものストレートな感情ってわかりやすいですよね。でも大人には『実はこう思っている』というところがある。『笑って見せているけれど、心の中には悲しみがあふれている』というような、秘めているから切ない、陰のある魅力が、大人にはあると思うんです」

 

『コピーフェイス』は、病院の不正を暴こうとした雑誌記者が、飛行機事故により記憶を失ってしまい、さらには病院の理事長夫人と

入れ替わって−−と、美容外科クリニックを舞台に繰り広げられるラブ・サスペンス。栗山は理事長夫人と記者・和花の一人二役を演じる。美しいラブシーンが話題になることも多いドラマ10だが、『コピーフェイス』はどうだろう?

 

「やはり『好きだ〜!』と勢いよく抱き合う若い世代向けとは違います。『パッと目覚める和花。何も言わず見つめ合い、唇を重ねる2人』というふうに、すごくきれいで、大人っぽくて素敵なんです」

 

5歳の娘がいる“母親”を演じるが−−。

 

「本当の母に育児放棄され、母の愛を知らずに育った子どもと、こちらも育児放棄され、施設で育った和花。互いにぎこちないところから始まり、愛情を感じ合っていくので、応援するような感覚で見ていただけると思います」

 

今回はドラマ10には珍しくスパイ的な要素もあるそう。

 

「不正を暴くために、スパイのように病院の事務室に潜り込んだりするので、見ていてドキドキハラハラできると思います。愛、ミステリー、スパイと多くの要素があるドラマですが、どれだけ特殊な環境であっても、その奥にある普遍的なものは、好きな男性への思いや、子どもへの愛情。難しい役ではありますが、その愛や情に共感しながら演じることに、やりがいを感じます」

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