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「昨今、賃貸の物件に関しては完全に“借りて市場”。『メチャ高』な感じの物件は減ってきています。だからこそ、お得にみえる物件に、思わぬ落とし穴が仕掛けられているケースが増えているんです」

 

そう語るのは、不動産会社「オージャス」代表を務める白石千寿子さん。そろそろ新年度。夫の転勤、はたまた思い切った移住など環境が変わる季節。新しい環境での暮らし心地を左右するのは「家」。しかし、今、賃貸をめぐるトラブルが増加しているという。

 

女優のいとうまい子(52)も、自身の“不動産被害”をブログでこう明かした。

 

《1月11日、2番目の兄が突然の他界。でも、悲しみに暮れる暇もなく、不動産会社から数々の嫌がらせを受けました。(中略)自殺でもなければ、殺人事件でもありません。普通に寝たまま息を引き取ったのです。それなのに、お通夜も葬儀も関係なく(中略)お悔やみの言葉すら言わず、追い詰める言葉だけを言われました》

 

このうえなくつらい状況なのに、不動産会社から次のような心ない言葉が……。

 

《1日でも早く撤去させろ!》《広告を出す時は死人が出たと表記する》《フローリングを変えるから120万円払え!》

 

自殺や殺人事件などではない「自然死」なのに、このような高額の請求をされることはあるのだろうか。弁護士の外岡潤さんはこの件について次のように答える。

 

「『自然死』ですし、部屋の汚染の程度もほぼないとすれば、業者のいうような損害が生じたとは到底思えません。いとうさんが負担する義務はないでしょう。家族を失って傷心しているときに追い打ちをかける。そんな不動産業者がまったくいないとは言えないんです」

 

引っ越しをめぐるトラブルには、ほかにもこんなひどい最新実例も……。

 

敷金・礼金「なし」の物件に入居したAさん。「引っ越し代が安くすんだ!」と喜んだものの、2年後、退去するときにクリーニング代として、なんと「12万円」の請求書が。

 

「敷金・礼金ゼロのいわゆる“ゼロゼロ物件”は、借り手がつかずに値引きしていることが多いんです。だから業者は家賃への上乗せか、原状回復費(=通常を超える使用で出た損耗、毀損を復旧するための費用)などでカバーしようとします。もともと汚れていたクロス壁紙の張り替え、鍵のシリンダー交換、などを合わせれば10万円以上請求されることもあるんです」(白石さん)

 

大学進学で上京したBくん。人気のシェアハウスで家賃月「3万円」と飛びついたが、共益費1万円もついてきて実質月4万円、契約時に支払った「デポジット」の3万円は退去時に返してもらえず……。

 

「お手軽そうなことで人気のシェアハウスですが、『敷金なし』は形だけで『デポジット』として預かり金を取られることがあります。これが退去時に原状回復などに使われたり、うやむやにされて返還されないなんていうことも。共益費も割高感があり、1万円程度の事務手数料をとられる場合も」(白石さん)

 

一度住んでしまったら引き返せないお金のトラブル。“即決断”は禁物です!

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