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「ホラー映画を楽しむように、“怖いもの嗅ぎたさ”が受けて、週末には2時間待ちです。平日でも、午前中は比較的すいていますが、1日1,000人以上が来場する日もあります」

 

そう話すのは、この展示の企画をした宮島一成さん。東京の池袋パルコで開催されている「におい展」が人気を博している。’16年に名古屋で開催されたが、今年、バージョンアップして東京に上陸するやSNSで噂が広まり、20代の若い層を中心に人気となっている。

 

そこで本誌は、自称・人の3倍鼻が利く、重盛さと美さん(29)さんに“クンクン”体験レポートしてもらうことに。

 

会場に乗り込むと、平日の午後にもかかわらず行列ができていた。日本の誇る異臭食品「くさや」や、テレビの罰ゲームにも使われる激臭食品、高級香料など50点を、臭いの強烈さによりレベル1〜5にわけて展示している。

 

蓋のついた透明な箱の中に展示品があり、蓋を開けて、その臭いを嗅いでいくのがこの展示のポイント。ブースからは「うげぇ〜」「ぐほっ」と、悶絶する声が聞こえてくる。重盛さんは、不安そうな顔をして「ドリアン」のブースへ向かった。

 

レベル3のドリアンに「はじめまして」と挨拶してから、蓋を開けるや、またパタンと閉じて、「くっさ〜〜〜〜!!」と苦しそうに叫んだ。

 

「食べ物が……果物が……賞味期限が1万年前に切れてて、肥料になる寸前の臭いです」

 

キョーレツ臭に、世界でもっとも高価といわれる香料「イリス」の香りで一息ついたあと、目玉展示へ。レベルは4。あまりの臭さに異臭騒ぎで電車が止まったこともある、台湾の「臭豆腐」だ。

 

「お父さん、お母さん、今までありがとう。私は新たな境地に旅立ちます!」

 

重盛さんは蓋を開けた瞬間、全身でのけぞり、のどを手で押さえて、まさに悶絶した!

 

「腐敗した足の臭いに、さらに池のヘドロ臭を足した……」

 

と、のどに手を当てたまま、「あ〜まだなんか(のどに)いる〜!! 私、ガードしてるんです。臭いがつきまとってくる〜」と、叫んでいる。いったいのどに何がいるのか……。

 

「さっきまでは、私が自分から臭いを嗅ぎにいったけど、この『臭豆腐』は、激臭がつかまえにくる感じ。あ〜すごい。ふぅ〜」

 

すぐに香水を使った「魔よけ」の香りコーナーに移動。

 

「おじいちゃん、おばあちゃんの家の和室を思い出して、安心する」と、ほっとした表情を見せた。そしてこうつぶやいた。

 

「人は臭いでこんなにも疲れるんですね。足の裏の臭いが好きであるような人は、思う存分ここで嗅げますよ。“お化け屋敷”みたいでドキドキしました。コレ、嗅ぐ価値ありますよ」

 

疲れたといいながら、少しスッキリした重盛さんだった。

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