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「デビュー当時は、おかっぱじゃないですよ。チェッカーズ時代のフミヤさんの髪形やギバちゃんカットなど、そのときのはやりをやってきた人間だったので」

 

こう話すのは、雨上がり決死隊の蛍原徹さん(50)。広辞苑によると“御河童”とは、“前髪を切り下げ、後髪を襟元で切りそろえた少女向きの断髪”。文字どおり、妖怪の河童に似ていることから、こう呼ばれるように。

 

いま、ブルゾンちえみさん(27)をはじめ、ハリセンボンの近藤春菜さん(34)、おかずクラブのオカリナさん(33)など、おかっぱ頭の芸人をテレビで見ない日はない。なぜ、おかっぱは愛されるのか。“おかっぱ芸人”に話を聞いた。

 

蛍原さんがいまの髪形にしたのは仕事が理由だった。

 

「’00年に舞台『カノン』にコンビで出演したとき、演出の野田秀樹さんに『髪形をおかっぱにして』と言われて。もともと役でやったんです。舞台が終わったら、髪形を変えようと思っていたんですが、唐沢寿明さんや鈴木京香さんとか、共演の方々が『絶対にこのままのほうがいいよ』ってなったんですよ。それで、18年間、この髪形です」(蛍原さん)

 

じつは、蛍原さんのおかっぱを褒めるように、共演者に頼んだのは、相方の宮迫博之さん(47)だった。

 

「やっぱり、僕らの世界は顔を覚えてもらってなんぼの世界です。僕なんて特に地味な顔立ちなんで、この髪形のおかげで覚えてもらっているというのはある。当時、同世代でこの髪形だったのは、イジリ―岡田さんやつぶやきシローくらいでしたね」(蛍原さん)

 

実際に“おかっぱ”にしたことで、仕事が増えたという。

 

「会議で誰を使おうか、となったとき、『あのおかっぱのやついるやん』みたいなのは、少なからずあると思う。実際に、東京に住み始めたころ、『「ぷっ」すま』(テレビ朝日系)で、当時おかっぱだったふわかりょうくんとマッシュルームボーイズというのをやったことがあります。でも1回きりでしたが(笑)」(蛍原さん)

 

いまや、蛍原さんといえば、さらさらおかっぱヘアというのが世間に定着した。’15年におこなわれた「美しい髪ランキング」では、並み居る女優に交じって5位に輝いた。ちなみに10位は同じおかっぱ頭のバナナマンの日村勇紀さん(45)。ベスト10に入った男性はこの2人だけだ。

 

「ポイントは髪の毛をいじらないこと。みなさんパーマをあてたり、染めたりしますが、そうすると美しい髪にはならないと思います。要は、おかっぱの人って、そのままなので、どんどん磨きがかかる。ほったらかすから、いいんですよ」(蛍原さん)

 

だが、こんな悩みも……。

 

「おかっぱにして全然モテなくなりましたね。女のコに出会っても、ペット的というか、あのおかっぱ見られるんなら、行こうかという感じでけっしてモテはしないんですよ。いまの奥さんに出会ったのも、おかっぱになる前ですしね」(蛍原さん)

 

いまだにほかの髪形に対する憧れはもっているという。

 

「モテたいですよ!(笑)モテるだけなら、いいでしょ。髪形変えたら、本気モードに入ったとでも思ってください(笑)」(蛍原さん)

 

芸人のキャスティングに携わっている現役放送作家は、芸人の“おかっぱ”についてこう解説する。

 

「背が高い、低い、太っている痩せている、ハゲているなど、外見に特徴を持っている人は、キャスティングされやすいんです。おかっぱもその特徴の一つです。また、おかっぱ頭には威圧感がなく、丸みを帯びていてかわいらしい。子どもから大人まで、誰からも嫌われない髪形ですが、じつはそれが大切です。テレビ業界では“好かれるタレントはすぐ飽きられるが、嫌われないタレントは長きにわたって活躍できる”と言われることもあります」