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52歳の若さでこの世を去った有賀さつきさん、貴乃花親方を陰から支える花田景子夫人、3月いっぱいで終了する『あさイチ』の有働由美子アナーー。最近、ニュースでよく耳にする“女子アナ”を取り巻く環境に、身につまされる思いを抱いた読者も多いはず。

 

そんな、年をとるごとに共感度が増す女子アナたちのなかでも、一世を風靡した「フジテレビ 花の三人娘」を筆頭に、寺田理恵子さん(56)、中井美穂さん(53)、近藤サトさん(49)ら、スター女子アナたちを多数採用した元フジテレビの露木茂さん(77)。

 

益田由美さん(63)や山村美智子さん(61)の上司にもあたり、その活躍を後押しした、まるで女子アナブームの仕掛け人だ。そんな露木さんが、彼女たちとの思い出を交えながら、“女子アナの時代”を振り返ってくれた。

 

まず、女子アナブームの仕掛け人ということについて、露木さんはあの穏やかな口調で、こう否定する。

 

「少なくとも私は『女子アナ』という言葉を一度も使ったことはないし、ある種の蔑称だと思っているんです。ですから、仕掛人などではありませんよ。当時の社風と時代に彼女たちがマッチしただけで、私はその『邪魔をしなかっただけ』なんです(笑)」

 

ブームの契機となったのは’70年代末。フジテレビは分社化していた制作部門を自社に統合する、大改革を行った。

 

「このとき、アナウンサーも報道局から編成局へ移されました。これによって、ニュース番組のキャスターという1つの頂点しかなかった女性アナウンサーの目標に、バラエティや音楽番組など、さまざまな『場』ができた。いわば頂上が増えたことで、彼女たちの個性が輝いたのでしょう」

 

その草分けが、『なるほど!ザ・ワールド』のレポーターに抜擢された益田由美さん。瞬く間に番組の顔となった。

 

「次がひょうきんアナの山村美智子でしょう。社内では女性アナウンサーにこんなことまでやらせるのかという批判もありましたが、僕は『女性アナウンサーが、ここまでできるんですよ』と反論していましたね。番組制作も型破りな時代だったので、彼女たちにもとにかく自由にやっていこう、と話していました」

 

採用担当者として重視したのは一貫して「画面越しに魅力的に映るかどうか」。最終面接は男性役員のみだったため、「女性の意見も必要」と考えた露木さんは、ひそかに城ヶ崎祐子さん(63)や益田由美さんなどを別室に呼び、面接の様子をモニター中継。意見を参考にしたという徹底ぶりだ。

 

「そして、女性たちからも圧倒的に高評価だったのが、あの三人娘です。親しみやすい八木(亜希子・52)くん、活動的な有賀(さつき・享年52)くん。そして、おとなしい河野(景子・53)くん。三人三様、魅力的でしたね」

 

露木さんが女性アナウンサーに向けるまなざしは、いまも昔も娘を見つめるかのよう。

 

「いまでもときどき集まりますが、みんなよく頑張っているなと思います。彼女たちの今後も見守りつつ、テレビの世界で女性がもっと活躍できるようになることを、願っています」

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