「抜群の透明感を放つヒロインが鈍器を振り回すわ、相手の目に釘を刺しちゃうわ、常識的に考えて、全く相いれないもの同士が交わるところが面白い。マイケル・ジョーダンが卓球するとか、意外な組み合わせほど興味をかき立てられるじゃないですか(笑)」
そう語るのは、少年少女を主人にしたクライムサスペンスの名手・内藤瑛亮監督の最新映画『ミスミソウ』(4月7日より全国ロードショー)に出演する清水尋也(18)。雪に覆われた過疎の町で同級生から壮絶なイジメを受け、復讐に乗り出す主人公・野咲春花(山田杏奈)の唯一の味方である相場晄を演じている。
「原作はカルト的な人気を誇るコミックです。暴力描写など映像化が困難なシーンの連続ですが、ビビらずにきちんとやりきったと思います。原作ファンのいちばん大事にしているポイントを押さえつつ、映画にするうえで新しく盛り込んだスパイスも効いていますし。残酷で絶望的な物語のなかに、美しくもせつないラブストーリーも描かれて。一視聴者としても、演者としても、大満足です」
イジメに耐えるヒロインを支える一方、人には言えぬトラウマを抱える相場。クライマックスに向かって、その本性があらわになるが……。
「春花を思えば思うほど、相場は気持ちに歯止めがきかなくなって、思いがあふれ出してしまう。それが、たとえゆがんだ愛情だとしても、その根本にあるのは、彼の優しさや彼女を守りたいという気持ちだと思いながら演じました。愛情表現って、本当に人それぞれだと思います。僕自身は、好きになるとすぐ、『好き』って言ってしまうタイプですね。かなわない恋だろうが、実ろうが構わず(笑)」