注目が集まっている「ユタの教え」。『西郷どん』の舞台、奄美大島で8代続くユタが緊急提言。今の世に満ちている“負の念”を取り除く知恵を教えてくれた――。

 

NHKで放送中の大河ドラマ『西郷どん』。鈴木亮平演じる西郷吉之助(のちの隆盛)は、薩摩藩の藩命により、奄美大島へと島送りにあう。この南の島で二階堂ふみ演じる、とぅま(愛加那)と出会い、人生のどん底から抜け出し再生を果たす。

 

劇中、「海の向こうから夫が来る。だが災いも連れてくる」と、とぅまに告げるユタ(秋津菜津子)が話題を呼んでいる。ユタは『西郷どん』のHPによると、こう紹介されている。

 

《ユタとは、神様のおぼし召しを受けて、人の現在・過去・未来を知らせる予言者のような存在。当時の島では、「医者半分、ユタ半分」と言われるほどにユタが多く、その存在は身近で大切なものだったそうです》

 

「うちは私で8代目となるユタの家系です。(奄美大島の)祖母がよく、『ばあちゃんのお父さんは西郷どんと一緒に、魚の追込み漁をしてたよ』と、話していました」

 

こう語るのは、鹿児島県の本土南端から、400キロメートル南にある奄美大島のユタ神様こと、葉月まこさん(63)。地元では「まこ神姉さん」と呼ばれ親しまれている。

 

「薩摩藩に琉球が支配されるまで奄美大島は琉球王国に属し、文化、風習も同じでした。ユタは、琉球諸島に存在する神々や精霊と交信し、自然と共存して生きる道を伝える存在。神々に祈り続ける古の血を受け継ぐ者です」(葉月さん・以下同)

 

今も、奄美には200~300人のユタがいるだろうと葉月さん。

 

「でも、海や川でのみそぎなど厳しい修業を経て、人々の救済ができるまでになる人は少ない。恋愛、結婚、離婚、仕事、子育て、病気などユタが悩みをみる“判じ”(占い、易)ができるのは10~20人でしょう」

 

島民の数々の悩みを解決してきた葉月さん。近年、気になることがある。ネットには誹謗中傷の言葉があふれているのをはじめ、ギスギスとした世の中になり、負の念であふれているというのだ。

 

「みなさん、自分のことしか眼中になく、心が狭くなっているように見えます。そうすると負の念が増え、本人も周りも不幸になるんです」

 

そこで葉月さんに「正の念」を増やし、幸せになるための知恵を教えてもらった。

 

■感謝、敬い……プラスの言葉を大切にする

 

「奄美では昔から『物で人は殺さんけれど、口で人を殺す』という言葉があります。人を責めたりいじめたりの言葉は鋭い刃物。負の念そのものです。言葉には神様が宿ります。ふだんから、『ありがとう』という感謝の言葉や、目上の人への敬語といった“いい言葉”を使ってほしい。それは言霊となって自分に返ってきます。さらに、感謝の言葉や敬語を使うことで敬いの心が芽生え、ご先祖や神仏への感謝の気持ちも育つ。それが幸せになる一歩です」

 

■1日1回家族と笑顔でアイコンタクト

 

「人間関係の基本は家族。相談者を見ていても、夫婦共働きで忙しい人が増えています。それでも朝か夜の食事で家族が顔を合わせて言葉を掛け合ってほしい。食事が無理なら、朝と夜、『行ってらっしゃい』『おかえりなさい』と、ニコッと笑顔で家族とアイコンタクトをしてほしい。そうした瞬間を大切にすることで、ささやかな幸せを感じられます。私たちは、人生約80年、魂を磨くために“地球旅行”に来ているだけ。家族と過ごせるのも、永遠ではなく限られた時間ということを忘れないで過ごしましょう」

 

■ご先祖様の先に神様がいる

 

「私は、毎朝、太陽に拝んだ後、神棚の水、お榊の水を取り換えるのが日課です。家にお仏壇や神棚があれば、朝は『今日も家族をお守りください』。帰宅したら、『一日ありがとうございます』と感謝の気持ちで手を合わせるだけでもいい。うれしいことがあったら、『おばあちゃん、こんな幸せなことがあったよ』と、言葉に出してご先祖と会話してみる。ご先祖は共に喜んでくれます。『ご先祖の先に神様がいる』と奄美では考えます。ご先祖も神様も、あなたがた子孫の幸せを願っているんです」

 

■負の感情に気づいたら、即切り替える

 

ドラマでは、西郷どんに腹を立てて暴言を吐いたとぅまだが、熱を出した彼に、『戻ってこい』と、一生懸命に祈り続けた。

 

「私たちも同じ。24時間いい感情ばかりでいられません。職場の人間関係に思い悩む人も多いでしょう。でも負の念も相手に飛んでいき、ブーメランのように自分に戻るもの。どんなに嫌な人も、自然の恵みで生かされている地球上の同じ空気を吸っている同じ地球人。“しょうがない”と、認めるしかありません(笑)。もし、『アイツ~くそ!!』と、思ったことに気づいたら『あっ、いけない。ごめんなさい』と、即気持ちを切り替えてリセットしましょう」

 

■道端の花も楽しもう

 

葉月さんは、毎朝、自宅裏の山に昇る日の出を拝み、毎夕、自宅前の海に沈む夕日に手を合わせて自然と共に暮らしているという。

 

「人は自然にまったく触れていないと、心の余裕をなくし自我の中に閉じ込められて他者の存在を感じることもできません。都会にいても、道端の花を見つけたら、『きれい。ありがとう』と、一瞬でいいので感謝し、楽しみましょう。それだけで心にゆとりが生まれ、優しくなれます。神様は私たちの心の中に隠れています。感謝の言葉を忘れずにいれば、みんなが幸せになるために力になってくれるでしょう」

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