半崎美子「生活に根付いたショッピングモールで歌い続けたい」

ショッピングモールの歌姫と呼ばれる歌手・半崎美子(38)。ひとたび彼女が歌いだすと、買い物客がこぞって足を止め、その歌声に聞きほれる。しかし、10年以上ショッピングモールで歌い続けてきた彼女も、初めから多くの人を魅了できたわけではない。

 

「せっかく立ち止まってくれた人が、途中で席を立ったり、携帯電話を見始めたり。初めはそういうのが気になって、なかなか集中して歌えなかったんです。でも“私の歌を聞いて!”ではなくて、“どうすれば届いてくれるかな?”という意識に変わったら、ふっと自分の歌に入り込めるようになって。そのころから少しずつお客様も増えてきたんです」(半崎・以下同)

 

彼女のライブはサイン会も盛況だ。一人ひとりと丁寧に対話するため、長蛇の列が途切れるまでに、6時間かかったこともある。

 

「切実な胸の内を私に明かしてくれる方もいらっしゃいます。思わず涙で声をつまらせる方や、亡くなった家族の遺影を持って来てくださる方も。そういう対話のなかで、心と心が通い合っているのを、いつも実感しています」

 

ショッピングモールでの経験が、自身の歌手活動の糧になっていると彼女は語る。

 

「やっぱり自分の原点だと思います。5,000人が集まるホールでコンサートをしたときも、一人ひとりのお客様と対話しているような気持ちでした。コンサート会場のような非日常の空間ももちろん素敵ですが、人の生活に根付いた歌を、日常の空間で届けたいという気持ちもあるので、これからもショッピングモールでのライブは続けていきたいと思っています」

 

そんな彼女の最新曲『母へ』(発売中)は、自身の母を思い、その生き方を歌い上げたもの。

 

「母は仕事を3つ掛け持ちしていて。歌詞のとおり、ソファに座っているのも見た記憶がないくらいなんです。いつも子どものことが最優先で、歌手になるために周りの反対を押し切って上京したときも、母だけは応援してくれました。初めてこの曲を歌って聞かせたとき、母がずっと泣いていたのを覚えています」

 

母へのまっすぐな思いがこもった歌は、きっと多くの人の共感を呼ぶはずだ。

 

「ふだん伝えられない感謝を言葉にしたり、もう会えないお母さんとの記憶に思いをはせたり。この歌が少し素直になるきっかけになってくれたらうれしいです」

 

観覧無料のミニライブ&サイン会を6月30日に千葉県・茂原ショッピングプラザアスモにて開催。そのほかライブ情報は半崎美子HPにて。

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