「先日、彼と電話で子どものことや仕事のことをあれこれと、気づいたら1時間半も話していたんです。こんなに話すなんて、自分でもびっくりしちゃいました」
そう語るのはつちやかおりさん(54)。通話の相手は、20年近く連れ添った元夫の布川敏和さん(53)だ。
「いっしょにいた期間は親きょうだいより長いので、お互いのことがよくわかるんです。離婚前はお互いの悪いところばかり目につきましたが、いまではいいところも見られるようになった感じですね。夫婦じゃなくなったことで、相手に求めるものがなくなったからでしょうか」
つちやさんは、18歳から9年の交際を実らせ’91年に布川さんと結婚。ハネムーンベビーで’92年に長男(現在・俳優の隼汰さん)を、’94年に長女(モデルの桃花さん)、’01年に次女(花音さん)を授かったが、’14年6月に離婚を発表。当時つちやさんは、布川さんの度重なる浮気に手をやいていたと各紙で報じられている。
「当時は、離婚の原因についていろいろと書かれました(苦笑)。でも、原因はひとつではなく、長い年月の間に積み重なってきたもの。もちろん“これで本当にダメだ”と感じた出来事はありましたが、それは2人とも墓場まで持っていくつもりです。その意味では、離婚の2年前に別居を始めたことで、実は私の中ではもう区切りがついていたんですね。戸籍上の離婚はしてもしなくても」
離婚の理由は他人に語るようなものではないというつちやさんだが、けっして家族の絆が弱かったわけではない。
次女の花音さんの難病治療や、それと前後して両親を相次ぎ亡くした布川さんのうつ病など、布川家には大きな試練が相次いで降りかかってきたが、いつも家族で一丸となって乗り越えてきた。そして、その中心となって家族を支えてきたのが、専業主婦として家庭に入っていたつちやさんだった。
そんなつちやさんだからこそ、夫婦としてやり直す道を幾度も模索したという。
「ずっと別れることばかりを考えていたわけではありません。もちろん楽しい日だってあるわけですから、もう一度やり直してみようかと思ったことも何度もありましたよ。でも、一度うまくいかなくなった者どうしがひとつ屋根の下で暮らしていても、事態は好転しないというのが私たちの結論でした。それに、敏和さんの体調不良をいっしょに克服したことで、私の中では“やりきった”という思いも強くなっていましたから」
離婚の意思を固めて別居に踏み切ったつちやさんだが、唯一気がかりだったのは次女の花音さんの存在だった。長男と長女はすでに成人していたが、末っ子の花音さんは、そのときまだ11歳。
「離婚が子どもに与える影響は心配でしたが、当時の私は末っ子の花音が成人するまで待つことはできなかったので彼女を連れて家を出ることにしました。とにかく彼女と本気で向かい合うことを心がけましたね。彼女はまだ幼かったけれど『本音で話したいから、聞いてくれる?』と正面から向き合うようにしたんです。お互いの気持ちを曖昧にごまかしたままだったら、いまの関係は築けなかっただろうと思います」