「(スーツ姿は)正直、すごく恥ずかしいです(笑)。最初、“ベロア素材の全身タイツで、キャットウーマンのような感じ”と聞いたときから、どうなってしまうんだろうって不安でした」
そう話すのは深田恭子(36)。放送中の主演ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系・木曜22時~)で、泥棒一家“Lの一族”のスーツ姿が話題を呼んでいる。泥棒一家の娘・三雲華(深田)は家業を継ぐことを拒み、図書館司書として働いている。恋人の桜庭和馬(瀬戸康史)が代々警察一家の息子だと知って別れを決意するが……。
「撮影中も、『人に見つかったら、変な目で見られちゃう!』と思って、ロケ先では人に気づかれないように隠れたりしていました。父親役の渡部篤郎さんに『深田くん、恥ずかしいから一緒に歩こう』って言われたこともあります(笑)」(深田・以下同)
恋人役の瀬戸康史は刑事を演じるために10キロ体重を増やしたそう。深田は、泥棒スーツを着るための体力づくりなどはしたのだろうか?
「全然してないですよ(笑)。ただ、あのスーツを着て仮面を着けると恥ずかしさが軽減されて、ふだんしない動きもできちゃう感じがあるんです。仮面のパワーってすごいですね(笑)」
泥棒役を演じるのは、映画『ヤッターマン』(’90年)のドロンジョ以来になる。
「演じるのは泥棒ですが、『ヤッターマン』は、盗みそのものよりもヤッターマンとの対決のほうのイメージが強かったです。今回は、実際にターゲットの建物に忍び込んで宝石などを盗みます。けれども、Lの一族は悪党しか狙わないことをモットーにしていますし、私が演じる華は、窮地に陥った恋人を救うために、つい泥棒の手助けをしてしまうんです」
華は、警察官の和馬との恋愛に悩み、葛藤する。深田自身は、自分の前に壁が立ちはだかったとき、どんなふうに乗り越えるのか?
「私は、気づいたら乗り越えられていたらいいなあって思います。自ら乗り越えるのではなくて、壁にぶつかったままちょっとずつ進んでいくというか、正直、進んでいるのか、進んでいないのかもわからないです……。お仕事に対する気持ちも『これでいいのかな? できてるのかな?』と思いながら手探りでやっています」
強気でどんな障害も乗り越えるタイプではなさそう。
「そういうところが全然なくて、ポジティブさはゼロです(笑)。ただ、現場でみなさんと楽しんでいいものを作っていきたいという気持ちはあります」
華は泥棒スーツに身を包むとかっこいい泥棒へと覚醒する。彼女がふだんの生活で覚醒する瞬間は?
「ん~、あまり覚醒しないかもしれないです。本当、いつもボーッとしているんです(笑)」