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2018年7月に事実婚を発表した、はあちゅうと、しみけん。活躍する業界もファン層も違う異色夫婦が、「これ、どうする?」「あれ、どう思ってる?」を赤裸々に語り合う本誌連載「家族会議 議事録」。第7回は、妊娠が発覚したときのお話です。

 

 

はあちゅう「妊娠がわかったのは今年の1月中旬だけど、けんちゃんにはすぐ報告できなかったの」

 

しみけん「なんでだっけ?」

 

はあちゅう「自分の体の状態にすごく敏感になってて、『今日はなんだか寒気がする、着床したかも』『やっぱり生理来ちゃった……』の一喜一憂に疲れちゃってたんだよ。それで、騙されてるかもしれないって思ったの」

 

しみけん「誰に?」

 

はあちゅう「妊娠検査薬に。線が2本出たら陽性なのに、一度、出かけた線が消えたことがあったんだよね。だから信用できなくて、2本出たけど黙っていて、翌日もう1回やったら陽性だったから、その段階でやっとけんちゃんに報告した」

 

しみけん「報告の瞬間を、動画で撮ろうとしてたよね」

 

はあちゅう「その日に限って、けんちゃんの帰りが遅くて、午前2時半まで起きて待ってた。でもリアクションが悪くてさ」

 

しみけん「それで『テイク2』を撮り直したけど、僕があまりに大根でお蔵入り」

 

はあちゅう「いやいや、第一声が『おめでとう』だったからだよ。『おめでとう』だと、少し他人事っぽく聞こえるの。私たち2人のことなんだから、そこは『やったね』でしょ。当事者意識を持たなきゃ」

 

しみけん「そこの線引きはなかった(笑)」

 

はあちゅう「妊娠については、リアルの友人たちから口々に、『おめでとう』と言ってもらったんだけど、唯一言わない人がいた」

 

しみけん「誰?」

 

はあちゅう「産婦人科の先生だよ。『まだ “おめでとう” じゃないです』って。超真顔で、『次は心音を確認しないと』って。浮かれた気持ちにブレーキがかかったよ」

 

しみけん「医者は『絶対』って言葉を使わないからね」

 

はあちゅう「私は当初、『妊娠が判明したら、すぐ公表してもいいかな』って思ってたんだよ。『妊娠に医学的な安定期なんてない』と聞いていたし、できればリアルタイムで世の中にいろんなことを伝えていきたいなって。だけど先生の言葉を聞いて、『もし公表したあとすぐに流産しちゃったら、絶対に耐えられない』と思ったの。だから、『せめて数カ月は期間を置こう』という気持ちに変わった」

 

しみけん「だから妊娠の発表は3月だった。ただネットでいろんな攻撃を受けて、大変だったね、はあちゅう」

 

はあちゅう「『男の子です』って書いたら、“判明するのが早すぎる、妊活の発信をスタートしたときに、もう妊娠してたんじゃないか” って疑われて炎上した。でも、性別がわかったのは本当に早かったんだよね」

 

しみけん「医者よりも早く、僕が見つけた(笑)。エコーを見て、『これ、ちんちんじゃない?』って」

 

はあちゅう「ひどい攻撃も受けたけど、やっぱり妊活を発信してよかったよ。妊活の発信には『病院に行きました』とか、『私も妊活を始めたんです』とかたくさんの反響があって。いまは『妊娠編』を更新してるけど、コメント欄に『いま、陣痛が来たので産んできます』とか、妊婦さんからの報告もたくさんある。私は悪いほうに引っ張られがちで、どうしてもアンチにばかりリアクションしちゃうんだけど、ポジティブな声のほうが圧倒的に多い」

 

しみけん「プラスの気持ちって、独り言でもいいから発していったほうが人を元気にするからね。マイナスイオン発生機ならぬ、“プラス言おう発生機”。プラスの感情は伝染する。誰かがプラスのことを言えば、周囲はプラスのほうに引っ張られるよ」

 

はあちゅう「いま私がありがたいと思ってるのが、けんちゃんが妊婦健診にわりとついてきてくれること。大事なことを告げられたり、決め事をしなきゃいけないときに、一緒にいてくれると、ほんと心強い」

 

しみけん「そうなんだ」

 

はあちゅう「妊娠なんて、私にとっても初めてだから、知らないことばかりなんだよ。ひとりで健診に行くと、そこで初めて知らされることは、『自分だけが知っていて旦那さんが知らない』状態になる。後から旦那さんに、『これってどういうことなの?』って質問された妻は、自分だけが頑張ってる気持ちになっちゃうの。だから世の男性は、なるべく健診についていってほしい」

 

しみけん「まわりでは、『俺なんか1回も健診に行ってないよ』って男がすごく多かった。『男が産婦人科に行くのは気まずい』って意見もあるけど、僕は逆。『みんな見て!』ってむしろ言いたい(笑)」

 

はあちゅう「もちろん、仕事で行けない旦那さんも多いと思う。うちだって、いま私がほとんど仕事してないから、けんちゃんにそのぶん多く稼いでもらえると気がラク。だから『健診には同行しないで、そのぶん仕事してね』って気持ちもあるよ。これは難しい問題だよね」

 

しみけん「男側からしても、それはある。ただね、それで仕事を優先した結果、奥さんから『仕事と私、どっちが大事なの!』って言われるケースもあると思うんだけど、僕の中では答えが出てる」

 

はあちゅう「出てるんだ!」

 

しみけん「どちらかを切り捨てるしかない。両方、生かそうとするから悩む。『家庭の崩壊どきが仕事の出世どき』って言うでしょ」

 

はあちゅう「じゃあ、あえて聞くけど、けんちゃんはどっち優先?」

 

しみけん「仕事をやめるよ。だってお金はいつでも稼げるけど、妊娠期間って、人生のなかで10カ月しかないじゃない」

 

はあちゅう「おー、頼もしい!」

 

しみけん「だけど、はあちゅうは、なんだかんだできっと稼ぐから、僕が100%大黒柱になるとは思ってないけどね(笑)」

 

【はあちゅう】
1986年、神奈川県生まれ 慶應大学在学中より、ブロガー活動を開始。会社員経験を経て、2014年、フリーに。ブログ「旦那観察日記」で、夫婦生活を鋭意発信中。

 

【しみけん】
1979年、千葉県生まれ 1998年にAVデビューし、出演本数は約1万本の現役AV男優。最新刊『しみけん式「超」SEXメソッド』(笠倉出版社)が発売中!

 

取材&構成・稲田豊史

(週刊FLASH 2019年10月8日号)

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