真剣なまなざしで記者の質問に答えるmisono。 画像を見る

「去年の10月末にエイベックスを円満退社して、11月以降は施設や小学校で歌ったりと、ボランティアやチャリティーだけでなく災害の復興支援活動などを主にやってきました。海外にもよく行っていて、フィリピンやインドのスラム街の子ども達にプレゼントや歌を届けに行ったこともありますね。日本では。正月休み以外ほとんど休みなく働いていました。マネージャー業も1人でやらないといけなかったのですが、事務所を辞めてうまくいかなくなってしまう人もいるので、自分は休んでる場合じゃないだろって気持ちで駆け抜けてきました。夫の治療費もありましたしね。でもそんな生活をずっと続けるのにもやっぱり無理があって……」

 

こう語るのはmisono(35)だ。18年9月にロックバンドでドラマーを務める5歳年下の夫・Nosuke(30)と入籍。しかし、その直後の12月に夫はステージ3の精巣がんであることを宣告されてしまう。その当時をこう振り返る。

 

「とりあえず最初は『泣かないように!切り替えなきゃ!』と思っていました。最初はNosukeも受け入れられなかったようですが、ウチは結構すぐに『働いて支えるぞ。現実を見なきゃ』って思っていて。だって泣いてもNosukeの病気は治らないし、悪い方向に考えていると本当によくならないって聞きましたし。変なお祓い行けって言われたらお祓いも行ったし、知り合いから『これ効くよ』と勧められたものも全部試しました」

 

ハードな闘病生活を過ごす夫。しかし、misonoの看病は“スパルタ”だったという。

 

「美化したくないから正直に言いますけど、やっぱり喧嘩もありました。ウチは別に好感度とか狙ってないから、献身的に支える嫁みたいなのでもない。看病し続けたmisonoはエライみたいになってるけど、みんなはNosukeに対して優しくしてくれるので、もうウチが一番厳しかったと思います。だからNosukeはよく『病気の時くらい、もうちょっと甘やかしてくれても良くない!?』と泣きついてくるんです。『仕事も全部辞めて、一日病室にいてほしい』と言われたこともありましたけど、『現実的に働かなきゃダメでしょ』とガンガン仕事をしていました(笑)」

 

そんな、タフな妻の姿に影響されたのか夫も気丈にふるまっていたようだ。

 

「最初の抗がん剤治療はまだ大丈夫だったそうですが、最後の手術が本当にしんどかったみたいで……。初めて『死んでもいい』って思ったぐらい痛くてつらかったって。本当にしんどかったはずなんですけど、彼は一切ブログで弱音を吐いたりしなかったんです。むしろそんな状況でも必ず笑わせようとしていて、本当にすごいなって。病室でどんなに吐いたりしても『大丈夫~』ってなんともなかったかのように言ってたんです」

 

Nosukeの手術は無事成功し、今ではドラマー仕事に復帰するほどまでに回復。しかし、今度はmisonoが今年の夏ころから激しいめまいに襲われるメニエール病を発症してしまう。自身も病との闘いと仕事を両立させていくなか、misonoは一つの決断をくだしていた。

 

「実はメニエール病になる前から考えていたんですが、仕事もプライベートも海外を中心にしていきたいので来年のスケジュールは現段階で白紙でして。本当は去年から海外を転々としていたのですが出来なかったので、もともとエイベックスを辞める一つの理由として海外を拠点にと言うのもありましたし、引き続きチャリティー、復興支援、寄付、ボランティア活動などはやっていくつもりです」

 

小休止を経た先に“大きな野望”があるという。

 

「去年フリーになったタイミングでYouTubeを始めて、最初は仕事の空き時間に撮影して編集もスタッフ任せだったんです。でも、ゆくゆくは私の個人事務所をキャスティング会社にもしていきたいと思っていて、人前に出る機会があまりない子たちの受け皿にしていけたらいいなという思いがあります。芸人さんや音楽をやりたい人たちが自由に表現できる居場所を提供できたらなって。ウチは人の夢を叶える手伝いがしたいんです。そのためにも登録数とか再生回数を増やしたいと言うのはあります」

 

そして、最後に“家族への思い”を語ってくれた。

 

「Nosukeは結婚したらもっと“妻”としてのmisonoが見られると思っていたみたいなんですけど、ウチは結婚してからより仕事モードになっていって。だから彼は『え? 子供は?』とか言われるんですけど、『それどころじゃないじゃん。現実見て働かないと』って言ってきてて。でも病気もひと段落してやっと“夫婦の時間”ができるのかなって。夫の抗がん剤が抜けきる2年後からにはなると思いますが、子どももほしいです。全然諦めてないので。結婚してから毎年、何かしら事件があったので来年こそは、何もない穏やかな一年になるといいなと今は思っています。

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