今年も多くの偉大なスタ―が、たくさんの思い出をわれわれに残してこの世を去った。そんな故人と親交が深かった方々から届いた、愛あふれるラストメッセ―ジを紹介。題して、「大好きなあなたへ 最後のラブレタ―」ーー在りし日の姿に、心からの哀悼の意を表して。
■高島忠夫さん(享年88・俳優、タレント・6月26日没)へ。山田邦子(59・タレント)
気さくで朗らかーー。
右も左もわからぬデビュー当時から歌番組や特番の司会、クイズ、バラエティ番組での共演などでご一緒させていただき、晩年まで公私ともに本当に仲よくさせていただきました。つくづく使い勝手のいいピン芸人でデビューしてよかったと思いました。
俳優、司会、歌手、タレント、英語もしゃべって、作曲もして、まさに元祖マルチ。そして何よりもルックスがよく、主役でありスタ―のオ―ラ、風格も兼ね備わっていて、すべてがお手本。一緒にいると自分まで大スタ―の仲間入りをしたかのような錯覚をして、うれしかったです。
その後デビューしてきた2人の息子さんのどちらとも共演し仲よくしていたら、心配性の忠夫さんから、「2人とも付き合うのはやめてね」と言われ、噴き出してしまいました。「どっちかなら、いいんですか?」「うん」。また噴き出しちゃいました。「安心してください、どちらも大好きな弟です!」「いえ~い!」。
懐かしいエピソ―ドです。私が好きだったのは忠夫さんですよ!(寿美さんには内緒)
私の父は早くに亡くなってしまったので、同い年の忠夫さんを頼って、たわいのないことでも、ことあるごとに相談にのっていただきました。いつも明るいアドバイスをありがとうございました。
ある晩、明日の政宏くんとのデュエットの譜面みたんだけど、こっちのハモリのほうがよいのでは? と電話の向こうでピアノを弾く忠夫さん。こちらも受話器に向かって、あ~あ~歌って、真面目というか(笑)。
ある日は、ちょっと付き合って、ということで出かけたBARで政伸くんの彼女らしい、という女性を遠くから観察。「どう思う?」って、ほっときなはれ! 笑ったなぁ。
ご自宅でおいしいものもたくさんごちそうになりました。お手紙もたくさんいただきました。たくさんかわいがっていただいて本当に幸せでした。ありがとうございました。もう1回会って一緒に言いたいなぁ。
いえ~い!
「女性自身」2019年12月24日号 掲載